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債券続伸、地政学リスクで長期金利4カ月ぶり水準-長期オペ減額なし

更新日時
  • 5-10年オペは減額なく、10年債に買い安心感-パインブリッジ
  • 新発10年債利回り0.02%、新発20年債利回り0.58%まで低下

債券相場は続伸。長期金利は約4カ月ぶりの低水準を付けた。シリアや北朝鮮の問題で地政学リスクが高まる中、米長期金利が年初来最低水準に低下したことや円高・株安を受けて買い圧力が強まった。

  12日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)低い0.02%と、新発債として昨年12月1日以来の水準まで下げた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「北朝鮮やシリアの地政学リスク、フランス大統領選が不透明になってきて、米10年金利が2.3%を再び切ったことや株安・円高が影響した」と指摘。また、「5-10年オペの減額がなく、10年債に買い安心感が出た」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比7銭高の150円75銭で取引開始。日銀オペ通知後に買いが強まり、午後に一時150円97銭と中心限月ベースで昨年11月15日以来の高値を付けた。結局、22銭高の150円90銭で取引を終えた。

債券先物中心限月の推移

  11日の米国債市場では10年債利回りが2.30%程度と、終値ベースで昨年11月以来の最低となった。12日の東京外国為替市場では一時1ドル=109円台前半と昨年11月以来の円高・ドル安水準。日経平均株価は一時1万8500円を割り込み、年初来安値を更新。米政府が4月上旬の日米高官協議で北朝鮮への軍事攻撃の可能性に言及していたことが11日分かった、と共同通信が報じた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「朝鮮半島の有事を完全には無視できない情勢だ。こうした環境では、水準観よりも方向観が重視される地合いが続きそうだ」と言う。

超長期ゾーン

  超長期ゾーンでは、新発20年物160回債利回りが一時3bp低下の0.58%と、新発債としては1月以来の低水準を付けた。翌日に入札を控えた新発30年物54回債利回りは3bp低い0.805%と2月以来の水準まで低下し、0.81%で推移している。

  メリルリンチ日本証の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「超長期ゾーンもしっかりだが、30年は入札を控えてアンダーパフォームしやすいのではないか。20年は外債を売却した銀行が買える一方、30年は利回りが下がると生保が買わなくなる上、フラット化すると残存25年超の日銀買いオペが減額される可能性もある」と指摘した。

日銀買いオペ

  日銀はこの日、長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「3年超5年以下」が300億円減額の3500億円となる一方、「1年超3年以下」は2800億円、「5年超10年以下」は4500億円と、それぞれ前回から金額が据え置かれた。応札倍率は「1年超3年以下」と「5年超10年以下」が4倍台に乗せるなどそれぞれ上昇したが、相場への影響は限られた。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「中期は需給が締まっており、運営方針でオファー額のレンジが下方修正された後も中央値を上回っていたため減額された。10年金利がまだゼロ%を上回っており、5-10年のオペは日銀の意思を示す形で減額されなかった」との見方を示した。

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