4月11日の海外株式・債券・為替・商品市場
Bloomberg News欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。
◎NY外為:円が主要10通貨に対して上昇-109円台、地政学リスク警戒
11日のニューヨーク外国為替市場では円が主要10通貨全てに対して上昇した。北朝鮮やシリア情勢を巡り地政学リスクが高まる中、市場では安全資産を求める動きが強まった。
スコシアバンクのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は逃避の動きで円がやや押し上げられていることを踏まえ、市場はリスク回避の地合いになっていると指摘した。
ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対し前日比1.2%高の1ドル=109円62銭。110円を突破するのは昨年11月以降で初めて。ユーロに対しては1.1%上昇し1ユーロ=116円24銭。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%低下。
北朝鮮は、挑発を受けた場合は核攻撃に踏み切ると警告。またトランプ米大統領はツイッターで北朝鮮に関して、中国による関与の有無にかかわらず、「問題を解決する」と指摘した。また共同通信は、北朝鮮の核・ミサイル問題を巡り、米政府が米中首脳会談を控えた4月上旬の日米高官協議で、中国の対応によっては北朝鮮への軍事攻撃に踏み切る可能性に言及していたことが11日分かったと報じた。
また米当局者らは、化学兵器による攻撃の背後にシリアがいるのは明らかだと指摘。ティラーソン米国務長官は、ロシアはシリアのアサド政権への支援をやめる必要があると述べた。
原題:Yen Leads Gains Among G-10 Peers as Geopolitical Tensions Simmer(抜粋)
原題:Gold, Yen Climb to 5-Month Highs as Refuges Sought: Markets Wrap(抜粋)
◎米国株:小幅安、地政学リスクで売り優勢に-FRB議長発言にも注目
11日の米株式相場は小幅安。地政学リスクの高まりを受けて売りがやや優勢になった。前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言も注目された。
議長は10日、金融当局の責務は金融危機で打撃を受けた経済の修復から進展の維持へとシフトしたとの見解を示した。
S&P500種株価指数は前日比0.1%安の2353.78で終了。ダウ工業株30種平均は6.72ドル安の20651.30ドルで終えた。
S&P500種は50日移動平均を105営業日連続で上回っており、これは2011年以降で最長。
同指数のセクター別では11業種のうち7業種が下げた。情報技術(IT)株指数が0.4%安と最も下げた。
金融株指数は0.3%安で終えた。一時は1.3%下げる場面もあった。
ホワイトハウスのスパイサー報道官はシリアに対し、民間人へのたる爆弾の使用をやめるよう警告。トランプ大統領がアサド政権への行動基準を拡大する可能性を示唆した。
ロバート・W・バードの米株式ディレクター、ロス・ヤロー氏は米国株の上昇について、経済と業績の伸びによって正当化されるとの見方を示した。同氏は米国株を「オーバーウエート」にするよう推奨している。
原題:U.S. Stocks Slip as Investors Weigh Fed Rate Path, Geopolitics(抜粋)
MARKET WRAP: U.S. Stocks Decline Amid Geopolitical Tension(抜粋)
◎米国債:急伸、利回りは年初来の最低-地政学リスクの高まりで
11日の米国債は急伸。利回りは終値ベースで年初以来の低水準に落ち込んだ。地政学的な緊張が高まっているほか、フランスの大統領選挙を巡る政治的リスクも増している。
ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて約2.3%。終値ベースで昨年11月以来の最低。この日は中期債が上げをリードした。10年物ブレークイーブンレートはさらに低下し、1.9ポイントを下回った。
トランプ大統領は11日のツイッターで「北朝鮮はわざわざ面倒を起こそうとしている。中国が助力してくれるのなら、それは素晴らしいことだ」とした上で、「そうでなければ、われわれ米国が中国なしで問題を解決する!」と続けた。
CBOEボラティリティー指数は3日続伸した。
ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで昨年11月以来初めて1ドル=110円を突破した。S&P500種株価指数はこの日下落した。
午後に入り実施された10年債入札(200億ドル)では投資家の需要を測る指標の応札倍率が2.48倍と、前回の2.66倍から低下した。最高落札利回りは2.332%だった。
原題:Treasury Yields Plunge to ’17 Lows as Global Risk Appetite Sours(抜粋)
◎NY金:大幅反発、5カ月ぶり高値-地政学的緊張で逃避需要強まる
11日のニューヨーク金先物相場は大幅反発。5カ月ぶりの高値となった。地政学的な緊張を背景に、逃避先とされる金の買いが活発になった。金のオプション市場では一段の上昇余地があることが示唆されている。
RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア商品ストラテジスト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「われわれとロシアの関係はかなり急速に悪化する可能性があり、状況がすぐにエスカレートする可能性もある」と指摘。「一つの意見相違のために、第3次世界大戦が始まるようにみえる。そのため金が押し上げられている」と述べた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日比1.6%高の1オンス=1274.20ドルで終了。一時は1275.90ドルと、中心限月としては昨年11月以来の高値をつけた。
原題:Gold Options Signal More Gains as ETFs Rebound Amid Tensions(抜粋)
◎NY原油:上昇、サウジアラビアが減産延長を支持と関係者
11日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。事情に詳しい関係者の話によると、サウジアラビアは石油輸出国機構(OPEC)の減産合意延長を支持する可能性が高い。ロンドンICEの北海ブレント6月限は7日続伸と、2012年以降で最長の連続高となった。
エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「サウジアラビアは減産合意の延長を望んでいるようだ。以前は疑問視されていた」と述べ、「産油国は世界的な石油在庫の縮小に若干成功したようで、これが原油の支援材料になっている」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比32セント(0.6%)高い1バレル=53.40ドルで終了。終値ベースでは3月1日以来の高値。北海ブレント6月限は25セント(0.4%)高い56.23ドルで取引を終えた。
原題:Oil Rises as Saudi Arabia Said to Support Extending OPEC Cuts(抜粋)
◎欧州株:ほぼ変わらず-不動産株が上昇、テクロノジーと銀行は安い
11日の欧州株式相場はほぼ変わらず。銀行株とテクノロジー株が下 げた一方、不動産株が買われた。
指標のストックス欧州600指数は前日比ほぼ変わらずの381.18で終 了。下げ幅は0.1%未満。日中は0.3%高と0.5%安の間で高下した。銀 行株指数は1カ月ぶりの安値引け。英半導体メーカーのダイアログ・セ ミコンダクターを中心にテクノロジー株が下げ、業種別指数の中で下げ が最もきつかった。ダイアログ製半導体の利用をアップルが恐らく減ら すとのバンクハウス・ランぺのアナリストの警告が嫌気された。
不動産株指数はここ6営業日で5日目の上げで、昨年6月以来の高 水準に達した。 サクソ銀行のトレーダー、アンドレア・トゥエニ氏は、「米銀行決 算が注目されている。これが銀行業界全体のセンチメントをやや明確に するだろう」と語った。
原題:European Stocks Steady as Real Estate Rally Offsets Tech Slump(抜粋)
◎欧州債:ドイツ債ほぼ変わらず-高ボラティリティーが仏短期債圧迫
11日の欧州株式相場はほぼ変わらず。銀行株とテクノロジー株が下 げた一方、不動産株が買われた。
指標のストックス欧州600指数は前日比ほぼ変わらずの381.18で終 了。下げ幅は0.1%未満。日中は0.3%高と0.5%安の間で高下した。銀 行株指数は1カ月ぶりの安値引け。英半導体メーカーのダイアログ・セ ミコンダクターを中心にテクノロジー株が下げ、業種別指数の中で下げ が最もきつかった。ダイアログ製半導体の利用をアップルが恐らく減ら すとのバンクハウス・ランぺのアナリストの警告が嫌気された。
不動産株指数はここ6営業日で5日目の上げで、昨年6月以来の高 水準に達した。 サクソ銀行のトレーダー、アンドレア・トゥエニ氏は、「米銀行決 算が注目されている。これが銀行業界全体のセンチメントをやや明確に するだろう」と語った。
原題:Bunds Range-Bound as USTs Rally; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)