香港に間もなく企業価値10億米ドル(約1110億円)超の新興企業が誕生するかもしれない。旅行者にスマートフォンを貸し出すビジネスを手掛ける25歳の起業家がその主役だ。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、この起業家テレンス・クウォック氏の企業ティンク・ラボは10億ドル超の評価獲得を目指し、約4000万ドルの資金調達プロセスを進めている。調達はまだ完了しておらず、最終的な額は変わる可能性があるという。関係者は非公開情報であることを理由に匿名で語った。

  ティンク・ラボは2012年創業で、クウォック氏が最高経営責任者(CEO)として率いる。この1年で社員数を2倍余り増やし、300人超とした。調達資金は人件費や事業拡大資金に充てる予定だ。

  CBインサイツの集計データによれば、企業価値10億ドル超の未公開企業である「ユニコーン」は、中国ではますます増えているものの香港には一つもない。香港がアジアの金融の中心地の一つと見なされる経済先進地域であるにもかかわらずだ。リスクが高く独力で道を切り開く仕事より、評価が確立した企業で安定した職に就くのを好む風土が一因だ。新興企業が狙うことが比較的多い小売りなどのビジネスが、一握りの地元資産家や複合企業に支配されていることも背景にある。

  ティンク・ラボはホテルの部屋にスマホを備品として設置する事業を展開。ブルームバーグが確認した資料によると、対象部屋数を18年までに100万室にする目標を掲げている。同社のスマホはホテル事業者が自社のサービスを宣伝するのに使えるほか、ホテル利用客に無料で街案内を提供する機能も付いている。モバイル端末として戸外に持ち出すことも可能だ。

原題:25-Year-Old May Soon Give Hong Kong Its First $1 Billion Startup(抜粋)

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