英銀バークレイズのジェス・ステーリー最高経営責任者(CEO)は就任からまだ1年半足らずだが、「最後通告」を既に突き付けられたような格好だ。違反行為と考えられるのは、かつての同僚であるシニアバンカーの資質を問題視する匿名の書簡について、差出人を何度も特定しようとしたことだ。

  バークレイズの取締役会はステーリーCEOをけん責する正式な手続きを踏み、昨年分のボーナス130万ポンド(約1億7900万円)の全額返上を求める可能性がある。今の段階ではステーリー氏を全会一致で支持する姿勢を取締役会は示しているが、英監督当局が進める調査の結果、銀行経営者にふさわしくないと判断されることもあり得る。

  ステーリー氏はコンプライアンス(法令順守)調査に身を置き、不適切行為と指摘を受けたにもかかわらず通報者を引き続き特定しようとした。不正行為の法的決着で200億ポンド余りの利益が失われたバークレイズの企業風土刷新を目指してきたステーリー氏にとって、今回の出来事は挫折を意味する。

  ステーリー氏は、匿名の書簡を送った差出人を特定するためにバークレイズのグループ・インフォメーション・セキュリティー・チームに2回にわたり協力を求めた。事情に詳しい関係者の1人によれば、同チームは米国のポスタル・インスペクション・サービスに接触し、支援を受けた。ポスタル・インスペクション・サービスにコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

  バークレイズは5月10日に株主総会を開催し、ステーリー氏のCEO再任について株主の承認を求めることになる。アトランティック・エクイティーズの銀行アナリスト、クリストファー・ウィーラー氏(ロンドン在勤)は「『われわれは厳しい対応を取り、ジェス(ステーリー氏)は引き続き経営を担うことができる』と銀行は言いたいだろうが、つらい数週間になるだろう」と指摘した。

原題:Staley’s Whistle-Blower Hunt Places His Barclays Tenure at Risk(抜粋)

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