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政府:水素インフラ整備加速に基本戦略策定へ、各省庁に具体的目標

  • 規制改革実施計画は今年6月めどにまとめる、インフラ費用低減へ
  • エネルギー安定調達に向け、計画進ちょくを確実に

安倍晋三首相は11日、官邸で開いた関係閣僚会議で、水素社会実現に向けた基本戦略を年内に策定するよう指示した。これまで経済産業省の私的協議会が策定した計画を政府レベルに引き上げることで、各省庁が具体的な目標を掲げて主体的に取り組む。

  水素ステーションの普及加速に向け、各省庁が設置や運営に関わる規制を見直す。現在は個別企業に委ねている設備への投資計画についても、地域に偏りのない普及に向け政府が調整役を担う。規制改革の実施計画部分は6月をめどにまとめ、ステーション普及の足かせとなっている初期投資費用や運営費の低減を早期に実現する。

  政府は、石油に頼らないエネルギーの安定調達を目指す中で、水素を利用したエネルギー社会の構築を目指してきた。中東のシリアなど不安定な国際情勢が続く中、経産省が昨年3月に改定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」の進ちょくを確実にする狙いがある。

  ロードマップでは、25年までに燃料電池車(FCV)20万台と水素ステーション320カ所を目指し、40年ごろには製造過程から二酸化炭素(CO2)を排出しない水素の製造・輸送・貯蔵の本格化を目指している。資源エネルギー庁水素・燃料電池戦略室の片山弘士課長補佐によると、水素ステーションは17年末までに100カ所整備する計画だが、現在は90カ所にとどまっている。

  国内では、トヨタ自動車が14年に世界に先駆けて水素を燃料とするFCV「ミライ」を量産車として発売した。しかし、生産能力が年間3000台程度にとどまっていることもあり、水素ステーションを開設しても燃料充填(じゅうてん)に訪れる車両はまだ少ない。水素ステーション建設は1基当たり4億-5億円かかり投資回収がしづらいことも普及の足かせとなっている。

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