アジアの金融危機から20年が過ぎ、世界的な信用収縮から10年たった今、アジア諸国は借金まみれに陥っている。

  多額の負債は企業や銀行、政府、家計に広がっており、上海の鉄筋価格からシドニーの不動産価格に至るまであらゆる物価のバブルを膨張させつつある。こうした中での米連邦準備制度の利上げを受け、債務問題が再び懸念要因に浮上している。

  中国の景気減速や商品相場の変動、為替相場のボラティリティーはリスクの一部にすぎない。S&Pグローバル・レーティングの推計によると、同社の格付け対象で2021年までに満期を迎えるアジアの社債1兆ドル(約110兆円)近くのうち、ドル建ては63%、ユーロ建ては7%となっている。

  政府が外貨準備を積み増し、リスクヘッジも改善しており、国内債券市場の充実が新たな資金調達手段になっているため、かなりのバッファーはある。また、米国の金融引き締めでも、欧州や日本の当局が続ける大規模な金融緩和策が影響を相殺する。金利は依然として歴史的低水準にあり、リフレ政策が金利負担を押し下げている。

  それでも、借り入れペースは涙が出るほどだ。アジアは世界経済に最大の貢献をしているだけに、債務問題の後遺症は重大だ。国際通貨基金(IMF)によると、アジアの2017年と18年の成長率は5%を超え、世界成長率の約3.5%を上回る見通し。

  中国の債務総額は昨年、国内総生産(GDP)比で約258%に達した可能性が高く、2005年の158%を大きく上回る。借り入れの大部分は企業レベルのもので、ゾンビ企業と呼ばれる負債過多の国有企業が引き続き中心だ。IMFは中国に企業債務問題に緊急に対処するよう警告している。

  韓国は数年にわたる低金利と不動産ブームに支えられた後、後遺症に見舞われている。家計債務は1344兆3000億ウォン(約130兆円)という記録的水準に達し、返済負担で消費が悪化している。韓国当局は米金融引き締めが国内の貸出金利に影響し、低所得世帯が債務不履行に陥ると懸念している。

  韓国も経済協力開発機構(OECD)加盟国で高債務国の一角で、家計の可処分所得に対する債務の比率は2015年時点で169%と、平均の129%を上回る。

  日本は世界屈指の高債務国で、政府債務総額はGDPの2.5倍強に上る。2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる目標について、政府自身も実現できる見通しを描けていない。ただ、日本は多額の海外投資と国内資産を持つためネットベースでの債務負担は軽減される。また、社債の大部分と全ての国債が円建てで、国債の大部分は国内で保有されているため、資本の海外流出リスクは比較的低い。

原題:Fed Rate Hikes Raise Risks for Asian Nations Swimming in Debt(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE