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東芝:市場は上場廃止基準の抵触を注視-3回目の決算発表期限

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東芝は11日、今回で3回目となる2016年4ー12月期決算の発表(四半期報告書の提出)期限を迎えた。売却を前提としたメモリ事業の分社化を承認した臨時株主総会から1週間半、上場企業として的確な決算を開示できるかが問われる。午後3時15分現在まだ発表されていない。

  発表期限当日の東芝の対応には以下の3つの選択肢がある。

  • 関東財務局に3度目となる発表延期の申請
  • 監査法人の適正意見なし(不適正意見、意見の表明なし)との記載付きで発表
  • 監査法人による適正意見を付けた通常通りの発表

  関東財務局に延期を申請しても認められなかった場合には、8営業日後までに提出する必要があるが、それができなければ上場規則に抵触する。

  東芝の広報担当者は決算について、監査法人からの四半期レビュー報告書を受領した後、公表する予定としている。東芝株は方向感を欠く動きとなった後、前日比2.7%安の223.5円で取引を終了した。

  朝日ライフアセットマネジメントの中谷吉宏シニアアファンドマネジャーは「延期は過去2回あり、それ自体はそこまでサプライズではないが、上場廃止になれば結構インパクトがある。シャープですら廃止には至らなかった」と指摘。「今は支援姿勢を続けている金融機関のサポート体制に変化があるか一番注目している」という。

  監査法人の適正意見なしでも発表すれば、期限内の提出とみなされる可能性はある。しかし、東京証券取引所の上場廃止基準の1つである「虚偽記載または不適正意見等」に抵触する。「直ちに上場廃止しなければ市場の秩序維持が困難なことが明らかであると認められた場合」は上場廃止となる。

米国WHを巡る調査

  今回の度重なる決算の延期は、巨額損失の原因となった米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)での内部統制上の問題に関する調査が長引いているのが理由。東芝は16年第3四半期以外の期を含む追加調査が必要だと指摘している。

  正式に決算を発表できた場合でも、その中身や延期理由となった調査の内容が問われる。アナリストらは米監査法人の指摘を受けて精査した結果、すでに6200億円の債務超過が見込まれている17年3月末と合わせ2期連続の債務超過となる可能性を注視している。

  東証は上場廃止の基準として「債務超過の状態となった場合、1年以内にその状態でなくならなかった場合」と規定している。さかのぼって過去の状態を問題視することはないため、仮に16年3月期に債務超過に陥っていたとしてもこの基準には直接抵触しない。

  ただ東証は現在、東芝株を上場廃止の恐れがある監理銘柄に指定しており、上場維持の可否を判断するため内部管理体制の改善を審査中。エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、今回の決算に合わせて内部管理体制に問題があったことが判明した場合は「東証判断への間接的な影響が懸念される」とみている。

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