債券相場は上昇。長期金利は約3カ月ぶり低水準を付けた。米国のシリア攻撃を発端とした地政学的リスクが高まる中、安全資産としての国債に買い圧力がかかった。

  11日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比8銭高の150円64銭で取引を開始。午後には一時150円70銭と、中心限月ベースで3月8日以来の水準まで上昇。結局は12銭高の150円68銭と、この日の高値圏で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「海外の状況は緊張がやや高まっている感があり、安全資産需要という意味では国債は買われて当然」と指摘。一方で、「どんどん積極的に買うような利回り水準でもないので、投資家の動きは鈍い。内外で不透明要因が多過ぎて、市場全体が膠着(こうちゃく)している」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低下の0.04%と、1月18日以来の水準まで買われた。20年物160回債利回りは1bp低下の0.61%と、新発債として1月以来の低水準を付けた。新発30年物54回債利回りは1.5bp低い0.83%まで下げた。 

ティラーソン米国務長官
ティラーソン米国務長官
Photographer: Susana Gonzalez/Bloomberg

  米国のティラーソン国務長官は今週、モスクワを訪問する。米国がシリアの空軍基地を巡航ミサイル「トマホーク」59発で攻撃したことを巡り、ロシアのラブロフ外相やプーチン大統領からの厳しい非難に直面する可能性が高い。

物価連動債入札

  財務省がこの日実施した10年物価連動国債入札の結果は、最低落札価格が105円00銭と、市場予想の104円80銭を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.64倍と、前回の2.61倍から上昇した。

物価連動債の入札結果はこちらをご覧下さい。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「消費者物価指数(CPI)の季節性から考えると、ここから物価連動債の連動係数は数カ月上がりやすくなる」と指摘。「為替が大きく円高に振れた場合、短期的にブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が下振れるリスクはもちろんあるが、買うにはちょうど良いタイミングだった」と話す。

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