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野村など大手証券3社、来春の新卒採用は5年間で最低水準に

更新日時

野村ホールディングスなど国内大手証券3社の来春の新卒採用数が、過去5年間で最低水準になる見通しであることが明らかになった。家計の資金の大半がタンス預金か銀行預金にとどまり、証券会社のリテール業務は低迷している。

  野村、大和証券グループ本社SMBC日興証券の2018年4月入社の大卒採用予定人数は合計1542人と、今年4月入社の1847人から約2割程度減少する見通しだ。ブルームバーグ・ニュースが、預り資産規模で上位5社に取材した。

  マイナス金利という環境下にもかかわらず、個人投資家は貯蓄から投資に資金を移すことに消極的だ。安倍晋三政権の経済政策、アベノミクスが初期段階にあった13年から14年当時は、国内証券の利益の5割以上が個人投資家向けビジネスから生まれていたが、現在その割合は大きく低下した。

Cutting Back

  ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは、「当初に比べアベノミクスへの期待感が後退」したこともあり「家計マインドは冷え切った状態が続いている」と指摘。「ブレグジット(英国の欧州連合離脱)やトランプ米大統領の就任など大きなサプライズで、個人投資家が世界経済を見通すことは一層難しくなっている」と述べた。

  野村の山下兼史広報担当によれば、来春の採用数は約600人(17年入社数は652人)を計画しているという。また、大和証G広報部の青山弘樹氏は、同社は592人(今年は678人)の採用を予定していると述べた。

商社など国内企業は採用増へ

  SMBC日興の芝田浩一広報担当は、来年は350人の採用予定(今春は517人)で、「過去数年、高水準な採用を実施してきた」ことや「営業体制がより一層進展してきている」点を採用の減少の理由として挙げた。

  これに対し、日本企業全体では18年の採用を2割程度増やす計画だ。就職情報サイトを運営するマイナビの2419社を対象にした調査によれば、特に商社、建設、製造業が大幅増を考えているという。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、来年度の採用については未定(小西博晃広報担当)だという。またみずほ証券広報部の三枝浩紀氏は、採用予定人数についてコメントできないとしている。

貯蓄から投資進まず

  大和証Gの日比野隆司会長は社長だった13年5月当時、アベノミクスによる「空前のビジネス機会」が訪れているとして、国内リテール業務拡大のため数年内に営業要員と店舗を約5割増やす計画を明らかにした。

  同社のリテール従業員数は当時5866人で、123店舗あった。直近では9月末時点で6357人、145店舗と想定していた伸びには至っていない。

  野村の営業部門での税前利益は16年3月期は1276億円と、前年から21%減少した。17年3月期の直近9カ月間の累計は490億円と、前年同期比で58%減とマイナス幅が拡大している。大和のリテール部門の経常利益は同期間で207億円と、前年同期比で6割以上減少した。

  日本銀行が3月17日に公表した資金循環統計では、家計の12月末時点の金融資産1800兆円のうち、現金・預金が937兆円と半分以上を占めたのに対し、株式や投資信託などの証券は288兆円にとどまっていた。預金・現金は前年比で増加、株式は減少している。

英語記事: Japan’s Top Brokerages Cut Back on Graduates in Hiring Plans (1)

(第9段落以降に店舗や人員の推移、日銀統計を追加しました.)
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