IMF:労働分配率の低下は技術進歩が最大の理由-WEO分析部分

国際通貨基金(IMF)は10日、国民所得のうち労働者が得る所得の割合が減っている最大の理由は技術の進歩にあるとする新たな研究論文を公表した。

  論文は世界経済見通し(WEO)分析部分の一部として公表されたもので、世界主要50カ国中29カ国で労働分配率が1991年から2014年の間に低下したと指摘。「大多数の国で労働分配率が変化した最大の要因は技術だ」との見解を示した。世界経済の成長予想を含むWEO全文は18日に公表される。

  国民所得のもう一つの主要構成要素は資本所得で、賃金の伸びが生産性より鈍い場合は、資本の所有者がより急速なペースで生産性向上の果実を得ることから、労働分配率が低下する。少数の人の手元に資本が集中する傾向があるため、そうした状況では所得格差が悪化するケースが多いと、IMFはブログで付け加えた。

  エコノミストの間では賃金の数十年にわたる伸び悩みの原因が議論されており、トランプ米大統領は中国やメキシコなどの国との貿易が米国の労働者に打撃を与え、米製造業の空洞化の原因だと批判しているが、IMFの論文は技術がより大きな要因だとの考えを示唆。労働分配率低下の約半分は技術の影響に帰することができると論じた。また、情報通信技術の急速な進歩が定型業務の自動化を加速させ、労働力の代わりに資本を活用するよう企業に促していると分析した。

原題:Technology Leaves Workers With Shrinking Slice of Pie, IMF Says(抜粋)

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