アナリストによる決算プレビューが禁止され、企業の業績発表に絡み銘柄をトレードする「決算プレイ」の際、過去の経験則が重要な材料になろうとしている。野村証券は、過去にポジティブな決算を発表した銘柄を「順張り」し、発表後は一転「逆張り」する投資戦略が有効との見方だ。

  村上昭博チーフ・クオンツ・ストラテジストがまとめたリポートによると、過去にポジティブサプライズの実績がある銘柄を「買い」、ネガティブサプライズの実績がある銘柄を「売り」とした場合のパフォーマンスは、決算発表の40日前から5日後あたりまで上昇。発表から5日後以降は、明確なリターンリバーサルが起きた。

東証での企業決算発表の様子
東証での企業決算発表の様子
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日本証券業協会は昨年9月、協会員のアナリストの取材などに関するガイドラインを公表。アナリストは未公表の決算期の業績に関する取材などを発行体に対し原則行わないことを決め、いわゆる早耳情報を禁止した。

  また、金融庁は企業の未公表情報の公平な開示を求めるフェア・ディスクロージャー・ルールの導入に関し、今国会で法改正を進める。このため、投資家は決算発表前に積極的にポジションを組む手掛かりに乏しくなった。

  野村証では17年3月期・第3四半期までの過去8四半期について、ポジティブサプライズやネガティブサプライズの傾向がみられた銘柄を分析した。ポジティブサプライズを発表しやすい銘柄はホンダ三菱商事東京海上ホールディングス、ダイキン工業、スズキ、SMC、SOMPOホールディングス、日東電工、住友電気工業、住友不動産など。ネガティブサプライズを発表しやすい銘柄ではパナソニック富士フイルムホールディングス三菱重工業、明治ホールディングス、JR西日本、味の素、東京ガス、住友化学、LIXILグループ、大阪ガスを挙げた。

  アリアンツ・グローバル・インベスター ズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は、「通常の決算発表はガイダンスに注目が集まるが、今回は終わった期にも株価が反応する可能性がある」と言う。アナリストがディスクロージャーに関するルール変更を守っているため、「終わった期が予想から振れる可能性があり、株価を動かす材料として大きくなっている」と指摘。その上で、決算プレイは投資家にとってリスク要因である半面、投資機会にもなるとの認識を示した。

  東京証券取引所によると、3月期決算企業の業績発表は4月4週から本格化し、25日には日本電産やシマノ、26日は花王やヤフーなどが予定されている。28日にはソニーや新日鉄住金など196社が発表し、前半戦のヤマ場となる。1日当たりの発表社数では5月12日の755社がピークだ。

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