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ドルは対円で1週間ぶり高値、米金利上昇-FRB議長講演に注目

更新日時
  • 朝の111円01銭から一時111円58銭に上昇、3日以来の円安・ドル高値
  • 短期金利の正常化休止は極めて短いものになる-NY連銀総裁

10日の東京外国為替市場のドル・円相場は上昇し、3日以来の高値を付けた。前週末のダドリー・ニューヨーク連銀総裁の発言を受けて米金利が上昇し、ドル買い・円売りが優勢となった流れを引き継いだ。

  午後3時35分現在のドル・円は前週末比0.2%高の1ドル=111円31銭。朝方に付けた111円01銭を日中安値に、五・十日(ごとおび)仲値公表が集中する午前10時前後にかけて上昇基調を強めた。一時は111円58銭と、3日に付けた直近の高値にあと1銭に迫った。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1231.18。一時1232.31と3月16日以来の高水準を付けた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は「ドル・円はダドリーNY連銀総裁の発言で米金利が戻し、シリア攻撃や米雇用統計の弱いヘッドラインで110円トライを狙ったショートポジション(売り建て)がスクイーズされた。きょうもその流れで上昇した」と指摘。「111円60銭を回復できれば112円近辺までもあるが、ポジショニングはやや円ロングからほぼニュートラルといったところ。地政学リスクについては、シリアにしても北朝鮮にしても、予断を持たず今後の進展をみる局面に入っており、これはこれで動きづらい」と述べた。

ドル・円相場の推移

  この日の東京株式相場は続伸。日経平均株価は前週末比133円25銭(0.7%)高の1万8797円88銭で取引を終えた。また米長期金利はこの日の時間外取引で一時2.39%と3日以来の高水準に上昇する場面があった。

  日本銀行の黒田総裁は10日、定例支店長会議であいさつし、2%の物価目標の実現を目指し安定持続に必要な時まで緩和を継続する意向を示した。日銀が公表した4月の地域経済報告(さくらリポート)では、9地域中1地域が景気判断を上方修正し、8地域が据え置いた。

  先週末7日の米国市場では、ニューヨーク連銀のダドリー総裁発言がドルの支援材料となった。ダドリー総裁は、ニューヨーク講演後の質疑応答で、当局がバランスシート縮小を開始すれば短期金利の正常化を休止する可能性があるとした3月31日の発言について、「一部で誤って解釈された。私は短い休止と述べた。休止というのは既に非常に短い意味があり、短い休止というのはさらに短いと思う」と述べた。

  一方、セントルイス連銀のブラード総裁は10日放送のブルームバーグテレビで、連邦準備制度理事会(FRB)は雇用増の鈍化を予想しており、金利はそれほど引き上げられる必要はないとの考えを示す一方で、バランスシートは合理的な政策で4.5兆ドルより低い数字に削減することが可能だとし、2兆ドル前後の目標に向けて削減をある程度進めるべきとの見解を示した。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、ドル・円について、「ダドリーNY連銀総裁が利上げ休止はわずかな休止に過ぎないと強調し、米長期金利とドルが反発したことが支え」と説明。もっとも、「バランスシート縮小は株安やリスクオフの円高要因でもあり、一方的なドル高も進みにくい」と語り、週末14日発表の米小売売上高や今晩のイエレンFRB議長の講演を注目材料に挙げた。

  7日に発表された3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比9万8000人増加と、市場予想(18万人増)を下回った。一方、失業率は4.5%と市場予想(4.7%)を下回り、2007年5月以来の低水準を記録した。

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円とドル

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、米雇用統計に対するドル・円相場の反応は限定的だったとしたうえで、「全体的に円高で取りに行くというよりも、押したところは買いたい人が多いという感じ。目先は110円割れを意識した下攻めについて疲れが見られる」と指摘した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.0583ドル。一時1.0570ドルと3月9日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。

  大和証の亀岡氏は、ユーロ・ドルについて「FRBのバランスシート縮小発言に対し、欧州中央銀行(ECB)では資産買い入れを早期に縮小すべきとの意見と年内は続けるべきとの意見に割れている」と指摘。「ドラギECB総裁は買い入れに前向きの姿勢で、米国に比べると欧州は金利が低下しやすく、ユーロは弱い」と述べた。

  豪ドルは、米ドルに対して下落。同時刻現在、1豪ドル=0.7493ドル。一時0.7478ドルと1月17日以来の豪ドル安・米ドル高水準を付けた。2月の豪住宅ローン許可件数は前月比0.5%減少と市場予想(横ばい)を下回った。

  ソシエテ・ジェネラル銀の鈴木氏によると、「豪ドルの下落は住宅ローンが予想を下回ったことが起点のように見えるが、基本的には3月安値を割り込んだことで下げが拡大した形。それ以上の材料があるわけでもなさそうだ」という。

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