外国勢が米国債市場の脅威に、FRBの保有資産縮小より影響大か

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  • 海外市場で3兆ドル強の国債の利回りがマイナスからプラスに転換
  • FRBの資産縮小と同時期に外国勢の米国債離れが進む恐れも

このところの債券市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が危機対応で買い取った巨額の米国債を減らし始めた場合の影響に誰もが心を奪われているように見える。だが、この騒動の中でほとんど気付かれていない1つの事実は、悪いタイミングで米国債市場から買い手を奪いかねない、もっと大きな債務の山の存在だ。

  海外市場では、3兆ドル(約333兆円)強の国債の利回りがここ数カ月でマイナスからプラスに転じた。アナリストによると、利回りがプラス圏に浮上する債券は今後数年で増える見込みで、経済見通しの改善や金融政策の変更を受け欧州や日本ではさらに数兆ドルの債券がマイナス利回りを脱するという。

  その結果、米債券市場には相当な影響が及ぶ恐れがある。簡単に言うと、利回りの比較的高い米国債に巨額の資金を投じてきた外国勢がここにきて、国内で実行可能な債券投資の選択肢が増えたため、米国債投資に傾かなくなる可能性があるということだ。米金融当局者が2兆4600億ドルの米国債を含む保有資産をついに縮小する構えを示し始めたタイミングであるだけに、外国勢の米国債離れが続けば手痛い損失につながりかねない。

  ドイツ銀行のチーフ国際エコノミスト、トルステン・スロック氏は「欧州や日本から投資マネーの津波が来ることはもうないかもしれない」と指摘した。

  13兆9000億ドル規模の米国債市場における外国勢の保有シェアは43%。トランプ政権の成長促進策で公的債務は今後数年増えると見込まれる中、米利上げ局面で長期の借り入れコストを押し下げておくには外国勢の投資が極めて重要になる。

  もちろん、一気に米国債離れが進むと言う人はいない。先週2.38%で取引を終えた米10年債に比べれば、ドイツや日本などの債券利回りは依然として極めて低く、米国を除く先進国の国債利回り平均はわずか0.51%にとどまる。先進国国債のうち約6兆8000億ドル(約30%)はなおマイナス利回りとなっている。

  それでも、利回りが昨年7月以降にじわじわと上昇している事実は否定できない。

  7月にマイナス0.205%を付けた独10年債利回りは現在プラス0.23%に上昇。同年限のフランス国債利回りは約10倍近い0.89%に達し、日本国債利回りは11月半ば以降、プラス圏で推移している。全体では日本国債2兆ドル強と欧州債約1兆ドルの利回りがプラスになった。

原題:A Foreign Threat to U.S. Treasuries That Dwarfs Fed’s Debt Hoard(抜粋)

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