【債券週間展望】長期金利低下か、地政学リスクで買い圧力強いとの声

  • 地政学リスク終息するには時間かかりそう-岡三証
  • ベアスティープのコンセンサス崩れる時は近い-パインブリッジ

4月第2週(10-14日)の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。米トランプ政権の経済政策に不透明感がくすぶる中、地政学的リスクの高まりを背景に買い圧力がかかる見込み。

  新発10年物国債346回債利回りは2017年度入り後の初日に0.065%で取引を開始し、0.07%まで上昇。その後は4日の10年国債入札や6日の流動性供給入札を波乱なく通過。7日には米国がシリアへの空爆を開始したことが伝わり、米長期金利の2.3%割れに連れて一時0.05%と、新発債としては2月28日以来の水準まで買われた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「シリアや北朝鮮の問題の影響は分かりづらいが、地政学リスクが終息するには時間がかかりそうだ」とし、「安全資産需要としての国債買いはしっかりする」と予想。「主要国の債券相場はしっかりした動きが続く」と言い、「円債も若干の利回り低下余地を試す展開」を見込む。

  米国は6日、シリアへの空爆を開始したと発表。米10年債利回りは7日のアジアの時間外取引で一時2.3%を割り込み、昨年11月22日以来の低水準を付けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「力には力というトランプ政権のスタイルが明確になった」とし、「米中首脳会談中の対応で、北朝鮮問題についても間接的な威嚇射撃的な意味がある」と説明。「債券市場にはテールリスクで、今年は金利上昇、カーブはベアスティープというコンセンサストレードが崩れる時が近づいている」とみる。

30年債入札

  来週の国債入札は11日に10年物物価連動債(発行額4000億円程度)、13日に30年利付国債(8000億円程度)がそれぞれ予定されている。

  岡三証の鈴木氏は、30年入札について、「上値は買わないが押し目は買うというのは10年入札と共通している。0.8%台半ばであれば無難に消化される」と指摘。「米債投資損失やリスク許容度の問題もあるが、結局何を買うか突き詰めれば国債しかない」とし、「特に30年は生保や年金がメインで、売れる人がいるわけでもない」と話した。

  日本銀行の長期国債買入れオペは、12日に残存期間「1年超5年以下」と「5年超10年以下」、14日には「1年超5年以下」と「10年超」が予定されている。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「来週は中期ゾーンのオペが2回あり、需給が逼迫(ひっぱく)すれば、減額もあり得る」とみる。

  10日には、日銀の黒田東彦総裁が支店長会議であいさつをするほか、同日の米国時間には米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が講演をする。

市場関係者の見方

*T
◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*トランプ政権によるシリア攻撃が今後どうなるかが波乱要因だが、日銀のオペ運営動向に比べれば、日本国債への影響は限られるだろう
*30年債入札は無難に終わるだろう
*長期金利の予想レンジは0.04%~0.09%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀オペ、月後半は減額の可能性もあるが動向を見ながらだ
*不透明要因がいろいろある中で日銀も刺激は与えたくないだろう
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.07%

◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
*30年債入札、足元で25年超が弱含む中であえて取りにいく動きは限られる可能性あり、 結果が弱くなるリスク
*期初で積極的な生保の買いも見込みにくく、超長期にはあまり強気になれない
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.08%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*地政学的な不透明感がすぐに解消される状況になく、金利はもう少し下となっても仕方がない
*米雇用統計は前月比15万人増加であれば緩やかな雇用増の流れは変わらないとみている
*長期金利の予想レンジは0.03%~0.08%
*T

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE