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「東芝メモリ」の売却、買い手候補、絞り込まれる-関係者

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東芝が債務超過の解消のために進める「東芝メモリ」の売却で、買い手候補が当初関心を示した10社程度から絞り込まれたことが分かった。世界最大の電子機器受託製造会社である台湾の鴻海精密工業や、韓国半導体大手のSKハイニックスが含まれているという。複数の関係者が明らかにした。

  関係者によると、米投資会社シルバー・レイク・マネジメントと米半導体のブロードコムとの連合も競り合っているもようだ。2兆円の買収額を提示した参加者もいる。ただ、技術流出の恐れなどから日本政府は今後、鴻海やSKハイニックスへの売却に反対を表明する可能性があり、東芝は2次入札に向けて日本企業に参加を働き掛けていく考えだ。

  東芝は3月29日、米原発子会社の米破産法11条の適用を申請、その影響で今期(17年3月期)の連結純損失(赤字)予想が1兆100億円に、債務超過額が6200億円にそれぞれ拡大すると発表した。同社を非連結化して海外原発事業のリスクを遮断し、メモリ事業の売却による債務超過解消と本体の再建を図る。

  関係者によれば、3月29日までの東芝メモリの1次入札には、米国、韓国、台湾勢が応札したが、ファンドを含め日本企業の参加はなかった。

  東芝広報では、メモリ事業の外部資本導入の検討状況については回答を差し控えるとしている。

  こうした中、ヘッジファンドのエッフィッシモ・キャピタル・マネージメントが東芝株の保有比率を9.84%に高めたことが分かった。関東財務局への報告によると3月31日までに取得、目的は純投資としている。同ファンドは「村上ファンド」出身者による設立で、8.14%を持つ筆頭株主に急浮上したことが3月に判明していた。

  東芝の再建を巡る状況は悪化している。同社は4日、取引銀行を集め原発子会社の破産処理の経緯などを説明。関係者によると、東芝は銀行団に、今年度は最大1兆円の資金需要が見込まれ、既存の融資枠などを使っても3000億円程度が不足する可能性があるとし、追加融資枠の設定などを要請した。

  また11日を期限とする昨年4ー12月期(第3四半期)決算の発表を延期する可能性も浮上している。東芝は発表をすでに2度延期。次に延期を申請して関東財務局に認められなければ、東京証券取引所の開示規則に違反ことになり、上場廃止のリスクもはらむ。

  メモリ事業は東芝の稼ぎ頭。米原発事業で生じた巨額損失を同事業の売却で穴埋めする方針。同社は3月30日に臨時株主総会を開き、株主から株式売却を前提とした東芝メモリの分社化で承認を受けた。過半の株式を売却して年度内の資金確保を目指す。

  7日の東芝株の終値は前日比0.6%高の216円。

(第6段落にヘッジファンドの東芝株保有などについて追加しました.)
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