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長期金利が1カ月ぶり低水準、米シリア攻撃でリスク回避-日銀オペも

更新日時
  • 地政学的リスクが終息するには時間がかかりそう-岡三証
  • 先物18銭高の150円60銭で高値引け、長期金利0.05%に低下

債券相場は上昇。長期金利は約1カ月ぶりの低水準を付けた。米国のシリアへのミサイル発射を受けてリスク回避の動きが高まり、米長期金利がアジア時間で低下し、国内債市場でも買いが優勢となった。

  7日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.06%で開始。米軍のシリア攻撃の報道を受けて水準を切り下げ、0.05%と2月28日以来の低水準を付けた。

  新発2年物375回債利回りは一時1.5bp低いマイナス0.225%、新発5年物131回債利回りは1bp低いマイナス0.15%まで買われた。超長期ゾーンもしっかり。新発20年物160回債利回りは1bp低い0.615%まで下げた。
 
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「シリアや北朝鮮の問題の影響は分かりづらいが、地政学的リスクが終息するには時間がかかりそうだ。安全資産需要としての国債買いはしっかりする。フランス大統領選挙も控えており、先行きの不透明感が非常に強い状況だ」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比3銭高の150円45銭で取引を開始。その後、水準を切り上げ、結局は18銭高の150円60銭と約1カ月ぶりの高値で引けた。

長国先物の日中取引推移

日銀買いオペ

  日銀はこの日午前の金融調節で長期国債買い入れオペを実施した。買い入れ額は残存期間1年超3年以下が2800億円、3年超5年以下が3800億円、10年超25年以下が2000億円、25年超が1000億円と、いずれも前回と変わらずだった。

  岡三証の鈴木氏は、オペ結果について、「応札倍率が上昇しても利回りは結構下がっている。朝方のリスク回避の動きを受けて、日銀に高いところを買ってもらおうと応札が増えたのかもしれない。利回りが下がれば益出しもあるということだ」と分析した。

日銀長国買い入れの結果はこちらをご覧下さい。

米シリア攻撃

  米国は6日、シリアへの空爆を開始したと発表した。シリアのアサド政権が化学兵器を用いて多数の民間人を殺害したことで国際的非難が巻き起こり、トランプ大統領は「人間性を踏みにじる行為」と批判していた。空爆発表を受けて、米10年債利回りは一時2.28%台まで低下した。

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トランプ大統領と習近平国家主席

Bloomberg

  トランプ大統領は同日夜、中国の習近平国家主席を迎えたフロリダ州の別荘で記者団に対し、「今晩、私は化学兵器による攻撃拠点となったシリアの空軍基地に対し、限定的な軍事攻撃を指示した」と発言。さらに「致死的な化学兵器の拡散と使用を予防・阻止することは、米国の国家安全保障にとって極めて重要な利益だ」とした上で、「シリアが禁止されている化学兵器を使ったことは疑いの余地がなく、化学兵器禁止条約に違反した」と説明した。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「米中首脳会談中の対応で、北朝鮮問題についても間接的な威嚇射撃ではないか」と指摘。「トランプ政権は国内であまりうまくいっていないので、海外に目を向けようということかもしれない。力には力でというトランプ大統領のスタイルが明確になった」と述べた。

  一方、マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「トランプ政権によるシリア攻撃が今後どうなるかが波乱要因」としながらも、「日銀のオペ運営動向に比べれば、日本国債相場への影響は限られるだろう」と指摘した。

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