ヘッジファンドが商品市場で危険地帯にいる5つの理由

  • モメンタム指標はネガティブに転じる可能性高い:JPモルガン
  • パラジウムと綿花の買越残高は高水準

一部の原材料の在庫が潤沢である兆しが示される一方、中国での需要見通しに対する懸念が広がる中、ヘッジファンドによる商品の投機的ポジションは「かなり高水準」にあるとの見方を、JPモルガン・チェースが示した。

  JPモルガンの世界市場ストラテジスト、ニコラオス・パニガーゾグロー氏は、一部資産のモメンタム指標と先物ポジションは、特に非鉄金属について「徐々にネガティブ」に転じる可能性が高いと指摘する。ブルームバーグ商品指数は3月に、月間ベースとしては昨年7月以降で最大の低下を示した。以下のチャートは、なぜ向こう数カ月間にヘッジファンドによる売りが出始める可能性があるのかを示している。

1.原油のポジション減少

  JPモルガンは3月31日のリポートで、原油の投機的ポジションは「買われ過ぎから平均的水準」に減少したが、さらなる低下リスクがあるとみている。「これまでの全ての変動局面において、原油ポジションが平均的な水準にとどまることはなかったが、買われ過ぎから売られ過ぎのレベル、そしてその逆への変動はあった」。

2.株式の売り建玉

  投機家は大手資源会社の株式の売り建玉(未決済残高)を減らしている。世界の資源株大手5社の売り建玉は昨年以降、大幅に減少。このことは、資源セクターが買われ過ぎの状態である可能性を示唆していると、パニガーゾグロー氏は指摘する。

株式売り建玉の%変化(16年1月4日~17年3月31日)
BHPビリトン                     -14
リオ・ティント                     -77
グレンコア                     -88
ヴァーレ                     -74
バリック・ゴールド                     -90

出所:ブルームバーグ集計データ、マークイットのデータ

3.パラジウムのシグナル

  投機家はパラジウムに対して強気姿勢を示している。パニガーゾグロー氏は、パラジウムの先物とオプションの買越残高は高水準にあり、「買われ過ぎ」のようだと説明。値引きが需要押し上げにつながらず、自動車販売台数が3月に予想外に減少したにもかかわらず、自動車の排ガス抑制装置に利用されるパラジウムの先物価格は、5日に2年ぶりの高値を付けた。

4.金属価格のモメンタム

  銅価格もモメンタムがネガティブに転じる兆しを示している。銅の買越残高の建玉に対する比率は少なくとも2006年以来の高水準近辺に達している。銅先物相場は2月に15年以来の高値を付けたが、需要見通しについての懸念が広がる中、モメンタムは戻りにくい状況だ。価格が現在のレンジにとどまれば、モメンタムのシグナルは5月近くのいずれかの時期に「必然的にネガティブに転じる」との見通しをパニガーゾグロー氏は示した。

5.綿花の乖離(かいり)

  中国での需要見通しと、3年連続の供給不足で世界の在庫が減少するとの見方を背景に、トレーダーは綿花の買いポジションを積み上げている。ただ、増産が予想されるため、投機家は短期的に価格に下押し圧力がかかる可能性があるとみている。米政府は先週、綿花価格の上昇で米国の作付けが増える可能性が高いとの見通しを示した。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、先物とオプションの買越残高は3月に達した過去最高水準近辺にあるが、先物価格は2週連続で下落している。

原題:Five Reasons Why Hedge Funds in Danger Zone Across Commodities(抜粋)

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