今秋に共産党大会を控える中国の習近平国家主席にとって、台本から外れるようなものは何もないはずだ。一党支配の中国で党大会は幹部の入れ替えが行われる重要イベントで、他の国の選挙と同様の意義を持つ。

  トランプ米大統領は6、7両日、フロリダ州に所有するリゾート施設マールアラーゴに習主席を迎え、対面としては初の米中首脳会談に臨む。貿易から北朝鮮の核の脅威に至るまで、さまざまな議題が会談では取り上げられる予定だ。

米中首脳の顔触れ
米中首脳の顔触れ
Bloomberg.

  習主席にとって今回の会談は、トランプ氏と個人的に親密な関係を築くほか、中国の景気減速をさらにずっと厳しいものにする恐れのある貿易戦争回避に取り組む機会だ。

  ただ、そこにはリスクもある。トランプ氏の逸脱したツイートや礼を欠いたと捉えられる思い付きの発言は、習主席が主導する改革の妨害を望む共産党内の勢力に習氏への攻撃材料を与えかねない。

  歴史学者の章立凡氏は「今年前半に米国との間で大きな対立が起きれば、習主席にとって非常に悪い話になる。習氏がこの5年間培ってきた最高首脳としての信任を損なう恐れがあるからだ」と指摘。「習主席にとっては国内的に最も不安定でリスクが高く、脆弱(ぜいじゃく)な時期だ。トランプ大統領はこの機会を利用して習氏に圧力を加える可能性がある」と予想した。

  トランプ大統領は先月末、米国の対中貿易赤字や雇用喪失に不満を示し、今回の首脳会談が「非常に難しい」ものになるだろうとツイッターに投稿した。

  中国の当局者1人によれば、中国政府は今回の会談について、大きな合意がなくても両首脳が相手を知り合えるようになれば前進との見方を取る。情報が非公開であることを理由に匿名で語った。同当局者はまた、トランプ氏が予想したように会談は恐らく困難なものになると発言。特にトランプ氏が攻め立ててくるようなら厳しい会談になるとの見方を示した。

  この当局者によれば、中国はトランプ氏の要求に応じてギブ・アンド・テークの幾つかの選択肢を用意している。中国政府は同氏が目に見える経済的勝利と一部の安全保障問題に最も強い関心を抱いていると分析しているという。当局者はまた、北朝鮮に関するトランプ氏のツイートを首脳会談前の交渉戦術と中国側が捉えていることを明らかにした。

原題:Xi’s Mission in Florida: Tame Trump to Bolster Power at Home (1)(抜粋)

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