6日の東京外国為替市場のドル・円相場は続落。前日の米国市場で連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けて株安・金利低下となったことに加え、地政学的リスクの高まりがドル売り・円買いを促した。

  午後3時42分現在のドル・円は前日比0.1%安の1ドル=110円56銭。朝方に付けた110円74銭から一時110円29銭まで下げた。その後は、110円台半ばに水準を戻しているものの、前日に続き上値の重い展開となっている。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1225.58。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、FOMC議事録のバランスシート縮小の内容は予想通りだったが、「一部の参加者が株価が標準的バリュエーションと比較して非常に高いと痛い所を突いたことに尽きる。米株が下落し、米金利低下でドル・円相場は軟化した」と述べた。

  この日の東京株式相場は大幅反落。日経平均株価は年初来安値を更新し、下げ幅が一時300円を超えた。終値は前日比264円21銭(1.4%)安の1万8597円06銭だった。日本国債相場は20年超の超長期物を中心に利回りが低下している。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が5日公表した3月のFOMC議事録によると、大部分の当局者はバランスシートの縮小開始につながる政策変更の年内実施を支持した。一部の参加者は株価に関して、標準的なバリュエーションの指標と比較して非常に高い水準と捉えたと言及した。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、FOMC議事録で米株が下落したあおりで米金利が低下、ドル・円も下落した流れを引き継いだものの、今日の仲値を見ると、期初の需給が売り超になりがちな中でも、110円前半というレベル感から買いも相応に入っている印象と説明。「110円台で底堅く推移しながら、米雇用統計を待つことになるのではないか」と語った。

  ダラス連銀のカプラン総裁は5日の講演で、「2017年は消費が良い状況で、米経済にとってしっかりした年になるだろうが、それ以降の年をより懸念している」と発言した。この日はサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁がドイツのフランクフルトで講演する。

  トランプ米大統領は6、7日に、フロリダ州で中国の習近平国家主席と初の米中首脳会談を行う。北朝鮮情勢や貿易などについて協議する見込み。

トランプ米大統領と習近平中国国家主席
トランプ米大統領と習近平中国国家主席
Bloomberg

  ドイツ証の小川氏は、「貿易に関してがちにぶつかる感じではない。ツイッターで貿易の詳細については次回以降としている」と指摘。「4月中に為替報告書が出るので警戒する向きもあるが、中国に対しては財務省の為替報告書ではなく、商務省など他の省庁を含めた包括的な話になりそうで時間がかかる」と語った。

  一方、ソシエテ・ジェネラル銀の鈴木氏は、「米中首脳会談を控えていつになく北朝鮮情勢に緊迫度が増していることも気になる。すでにミサイル発射が頻発していることから、それ自体には感応度は落ちているが、不透明感は確実にドル・円の重しになっている」と指摘。その上で、「米中首脳会談で北朝鮮情勢をどういった話になるのか。米国は単独でも行動と言うが、本当にその気があるのかといったところが気になる」と述べた。

  安倍首相は6日朝、トランプ米大統領と電話による首脳会談を行い、北朝鮮のミサイル問題について意見交換した。  

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.0678ドル。6日の欧州では欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が講演するほか、ECB議事要旨が発表される予定。

  ドイツ証の小川氏は、「色々なECBメンバーが先週から利上げ織り込みの火消しに入っている。ドラギ総裁がどういう発言をするかに注目。恐らく市場が織り込むような金利の正常化は時期尚早という感じではないか。年内ないとの話」と指摘。「問題は、リファイナンスレートとレポレートの両方かどうか。弊社は、フランス大統領選が終わってから、今年後半に1回だけレポレートだけを引き上げる可能性があると見ている。欧州政治リスクが終わってから、ECBはじわりと話を始めると思う」と話した。

  豪ドルは下落。中国の3月の財新コンポジット購買担当者指数(PMI)が52.1と前月の52.6から低下したことなどを受けて、対ドルでは一時1豪ドル=0.7533米ドルと3月13 日以来の水準まで豪ドル安が進んだ。対円では一時1豪ドル=83円15銭と昨年11月以来の安値を付けている。

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