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米金融当局のバランスシート縮小計画、18年の利上げペース鈍化も

  • 3月のFOMC議事録、バランスシートの年内縮小開始を示唆
  • 議事録公表を受け、18年の利上げ回数を投資家はわずか1.5回と予想

米金融当局者の大部分は、巨額のバランスシートを年内に縮小し始めることで一致しているが、それによって2018年に短期金利引き上げを続ける計画がどのような形になるのかについては詳細な議論を避けた。

  3月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は、3回にわたる債券購入プログラムで4兆5000億ドル(約500兆円)に膨れ上がったバランスシートを縮小する計画を概説するのに、幾つかのキーワードを用いた。縮小は「徐々に予測可能な形」で行う必要があり、再投資の「段階的終了」によって成し遂げるべきだとした。これは、満期時に全ての保有債券の再投資を突然やめないことを意味する。縮小の額については踏み込まなかったが、「年内に」縮小を開始する考えも示唆した。

  当局が採用しようとしている重要な路線は、緩やかなバランスシート縮小であり、金融状況をあまりにも引き締めて、バランスシート政策が金融政策の第2の手段となる事態がないようにするものだ。5日に公表された議事録によれば、大方の当局者はフェデラルファンド(FF)金利を最重要の手段としたい考えだが、BNPパリバの米国担当シニアエコノミスト、ローラ・ロスナー氏は、バランスシート戦略が金融政策に影響しないという見方に「私は極めて懐疑的だ」と話した。

  FOMCの予測中央値によれば、当局は18年に3回の利上げを見込んでいる。これはバランスシートの一部縮小を加味した見通しかもしれない。一方で、エコノミストらが一般に金融状況として扱う米長期金利や信用スプレッド、モーゲージといった中長期の借り入れコストへの影響が限定されるとの楽観論を反映している可能性もある。当局は米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の両方について保有を縮小する方針を示している。

  ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、バランスシート政策の変更によって信用市場や外国為替市場に影響が及ぶとの認識を示している。同総裁は先週のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「バランスシートの正常化を始めれば、短期金利引き上げの代わりになる。短期金利引き上げについて小休止することを同時に決める可能性もある」とコメント。また、バランスシート縮小は「既に織り込まれている」ため、市場が「激しい」反応を示すとは心配していないとも述べていた。

  利上げの軌道が中断もしくは変更される可能性に言及したダドリー総裁の発言は投資家の強い注目を集めている。議事録公表を受け、投資家が予想する18年の利上げ回数はわずか1.5回と、昨年11月11日以降で最少になった。ただ、バランスシートがFF金利の道筋にどう影響するかという問題は、当局が計画する保有資産の縮小規模が判明するまでは決着しないだろう。

Is the Federal Reserve Tightening, Or Not?

原題:It’s Fed Versus Market as Traders Bet Balance Sheet Slows Hiking(抜粋)

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