今年は基本ソフト(OS)の世界シェアで米グーグルの「アンドロイド」が初めて首位の栄冠に輝く見通しだ。採用端末数とエコシステムが生む収入の両方においてだ。ただ、アンドロイドの優位性拡大に向けた懸念材料があるほか、より優れた技術がそれ相応の評価を受けられない状況を生むリスクがある。

  ウェブの分析会社スタットカウンターによると、インターネットのトラフィックにアンドロイド端末が占める割合は3月時点で37.93%と、米マイクロソフト「ウィンドウズ」の37.91%をわずかながら上回った。アンドロイドは近い将来さらにシェアを伸ばすだろう。

アンドロイドがOSの世界シェアで初めて首位に
アンドロイドがOSの世界シェアで初めて首位に
PHOTOGRAPHER: JEFF PACHOUD/AFP/GETTY IMAGES

  収入ベースでは米アップルの「iOS」が長いこと首位を守ってきたが、アプリ経済の動向を追跡するアップアニーによると、今年はアンドロイドがそれに取って代わる見通しだ。

  アンドロイドはOS市場の「みにくいアヒル」的存在だ。プログラムのソースコードが公開されているので、端末製造業者は手を加えたがる。これが混乱を生み、ユーザー体験の質を落とすこともままある。総じてインターフェースのデザインや利便性がiOSに劣るとの印象も根強い。

  アンドロイドがシェア首位については、二つ懸念すべきことがある。一つはプライバシーだ。アンドロイドが無償提供されているのは、グーグルが大量のユーザーデータを収集する広告会社であることが理由だ。プライバシー保護の浸食を考えると、パーソナルコンピューティングの大半をグーグル製プラットフォームで行うのが得策だとは確信できない。

  もう一つは、アンドロイドがデスクトップやノートパソコンのOSとしては良くないという点だ。アップルは、パソコンには「マックOS」、携帯端末やセットトップボックスにはiOSと分けている。グーグルの親会社アルファベットは、もともと携帯端末用のアンドロイドをノートパソコンにも採用しているが、ウィンドウズやマックのユーザーが使い慣れたデスクトップアプリの多くにアンドロイド版がないのは苛立たしい。

  一方でマイクロソフトは、デスクトップ用のOSを携帯端末に応用するという最も有望なアプローチをとっている。パソコン版と変わらないOSが入っていることは、同社のタブレット型端末「サーフェス」の競争上の大きな強みだ。

  もしもアンドロイドの優位性が高まり続け、マイクロソフトの優れたビジョンが大衆に受け入れられない場合、次善のテクノロジーに軍配が上がる。そのような状況を憂うのは私だけではないだろう。
(レオニド・ベルシドスキー)

  (ベルシドスキー氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:The Pros and Cons of an Android-Powered World: Leonid Bershidsky(抜粋)

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