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7&iHD:3660億円で米コンビニ取得、株価は約3カ月ぶり上昇率

更新日時
  • 午前の取引で日中上昇率は一時1月13日以来の水準
  • 米国は「非常に大きなチャンスがある」-井阪社長

国内コンビニ最大手のセブン&アイ・ホールディングスが、ガソリンの小売りやコンビニ事業を展開する米スノコから一部事業を約33億ドル(約3660億円)で買収すると発表した後、7日の株式市場は成長領域での投資を評価し、一時前日終値比5.2%高まで買われた。

  午前の取引で、同社株の日中上昇率は一時1月13日以来の水準となった。取得するのはガソリンスタンド併設型のコンビニを運営する米スノコの一部資産で、7&iHDの発表資料によるとスノコは1345店舗を運営しており、米子会社を通じてこのうち1108店舗を取得する。スノコはガソリン販売の粗利低下や店舗数の増加に伴う販売管理費の増加により、前期(2016年12月期)には小売り事業で2700万ドルの経常損失を計上していた。8月の譲渡を予定している。

  スノコは米テキサス州や東部地域など、7&iHD子会社が出店している地域で多く店舗を展開していることから、事業の取得で店舗網拡充や収益性の改善を狙う。同社の井阪隆一社長は6日に都内で会見し、米国は「非常に大きなチャンスがある」市場だとコメント。買収資金について「12億-13億ドルを負債で調達」することを検討していると話した。

  さらに、スノコの資産取得は「価格的には安い買い物」との見方も示した。出資に必要な時価総額と買収後の純負債の返済に必要な金額を、EBITDA(利払い・ 税金・減価償却・償却控除前利益)の何年分で賄えるかを示すEV(企業価値)/EBITDA倍率は10倍だと明らかにした。ブルームバーグのデータによると、12年以降のコンビニ業界の買収案件のEV/EBITDA中間値は9.7倍だった。井阪氏は取得するスノコの店舗では1日当たりの売上高が約4800ドルで、これは7&iHDの米国子会社が運営するコンビニと同水準だと説明した。

予想下回る今期業績

  同時に発表した今期(18年2月期)の連結営業利益予想は前期比6%増の3865億円。ブルームバーグが集計したアナリスト16人の市場予想平均3926億円を下回った。今期の業績予想にはスノコ取得による設備投資額などが織り込まれているという。井阪氏によると、今期の設備投資額は前期(17年2月期)比4228億円強増加し、8070億円になる予定だ。

  会社の発表資料によると、売上高は4.5%増の6兆1000億円(市場予想5兆8894億円)、純利益は83%増の1770億円(市場予想2081億円)になる見通し。前期には百貨店や総合スーパー事業で減損を計上していた。

  野村証券の正田雅史アナリストは決算発表後のリポートで、日米で「コンビニ成長戦略が具体化」したとし、「中期的に成長力や競争力の改善につながる見通し」と評価した。モルガン・スタンレーMUFG証券の篠崎真紀アナリストは、7&iHDが米国ですでに店舗を持つテキサス州、フロリダ州、北東部地域が中心の取得であるため、「一段のドミナント効果が期待できる」と述べた。

(株価情報、会見内容を追加して更新しました.)
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