日本株は年初来安値、米政策停滞や北朝鮮リスク-下落銘柄1900超す

更新日時
  • 米下院議長が演説、税制改革実現には要時間との報道
  • 6-7日にフロリダで米中首脳会談、極東「核の脅威」も議題に

6日の東京株式相場は反落、TOPIXと日経平均株価は年初来安値を更新した。米国の政策停滞や株価波乱のリスクが警戒され、米中首脳会談を前に北朝鮮情勢を懸念する売りも広がった。電機など輸出株、鉄鋼や海運、証券株と幅広く下げ、東証1部の下落銘柄数は1900を超え、ことし最多。

  TOPIXの終値は前日比24.48ポイント(1.6%)安の1480.18、日経平均株価は264円21銭(1.4%)安の1万8597円6銭。TOPIXは昨年12月6日以来の安値で、1500ポイントの節目を終値ベースで割り込んだ。日経平均は同7日以来の低水準。

  ヴィレッジ・キャピタルの高松一郎最高投資責任者(CIO)は、「FOMC議事録は米当局者が金融引き締めに前のめりな印象。トランプ米大統領の経済政策も遅れ気味で、北朝鮮リスクもあり、海外勢が地理的に近い日本株を売った」とみていた。特に米金融政策をめぐっては、「株式市場が嫌気しているのは流動性の吸収。過剰流動性の中で米国の高いバリュエーションが正当化されてきたが、その土台にひびが入る可能性がある」と言う。

東証正面と歩行者

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米下院のライアン議長は5日、ワシントンで演説し、税制改革の実現に医療保険制度の見直し以上に時間を要する可能性があると述べた、とロイター通信が報道した。

  米連邦政府の17年会計年度暫定予算は28日に期限切れを迎える。医療保険制度をめぐる議論が難航し、政府機関の閉鎖も懸念される状況だ。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、閉鎖を回避しても米ヘルスケア改革法案の採決は5月にずれ込む可能性が高いと指摘。税制改正やインフラ投資などトランプ氏政策を具体化する18年会計年度予算案の成立は「早くて10-12月期、越年のリスクも出ている」と懸念を示す。
  
  また、連邦準備制度理事会(FRB)が5日に公表した3月14ー15日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、一部参加者が株価に関し、バリュエーション指標と比較し非常に高い水準と捉えたと言及。4兆5000億ドル(約500兆円)規模のバランスシートは、大部分の当局者が年内の縮小開始が適切になる可能性が高いと判断していることも示された。バランスシート圧縮は利上げ代替の見方につながり、5日の米10年債利回りは2.34%と3ベーシスポイント低下。一時200ドル近く上げていた米ダウ工業株30種平均は下落に転じて終えた。

  きょうのドル・円は、一時1ドル=110円20銭台と前日の日本株終値時点110円74銭からドル安・円高に振れた。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は、「昨年11月から12月にかけて日本株を買い、円を売ったヘッジファンドがポジションを閉じようとしている」とし、最近は「余裕がなくなり、無理をしても売ろうという感じになっている」と話した。

  日本株は午後の取引で一段安となり、日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。6ー7日の米中首脳会談を前に、極東情勢のリスクも材料視された格好だ。トランプ米大統領は安倍晋三首相との電話会談で、同盟国支持のため、軍事能力を100%活用すると発言。米中首脳会談では北朝鮮問題が議題の1つになる。ヴィレッジの高松氏は、「今までテールリスクとして相場に織り込まれていなかった北朝鮮問題が少しテールから真ん中に寄りつつある」としている。

  東証1部33業種は鉱業を除く32業種が下げ、下落率上位は鉄鋼、電気・ガス、海運、証券・商品先物取引、精密機器、電機、ガラス・土石製品、非鉄金属など。売買代金上位ではみずほフィナンシャルグループやソニー、三菱電機、ダイキン工業、村田製作所、安川電機が安い。半面、物流倉庫火災で遅れていた四半期決算を前日発表したアスクルは、不透明感の後退で逆行高。任天堂やSUMCO、大和証券が目標株価を上げたアドバンテストも堅調だった。

  • 東証1部の売買高は20億6830万株、売買代金は前日比10%増の2兆4589億円
  • 上昇銘柄数は73、下落は1919、下落銘柄数は米大統領選の結果を受けた昨年11月9日(1934)以来の多さ

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