米政権が東芝WHの「中国化」警戒、親米派の応札を模索-関係者

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米トランプ政権は、中国の投資家が東芝傘下の原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を買収する可能性を警戒し、米国または同盟国企業の買い手を探そうとしている。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

  3人の政府関係者は、ペリー・エネルギー長官とムニューシン財務長官を含む閣僚間で、中国に関係している企業によるWH買収防止について協議したとしている。

  中国企業はこれまでもWHへの出資に関心を示しており、同社は何度も中国側のスパイ活動のターゲットとなってきた。WHは3月29日に米連邦破産法11条の適用を申請し、親会社の東芝は損失を出し続けるWHの売却先を探している。関係者によると、WHのダニー・ロデリック会長は3月27日付で全ての要職を退任、後任の取締役会議長には東芝原子力担当の畠沢守常務が就任した。

  関係者の一人によると、トランプ政権と米議会は、破産法申請は、背後に中国からの支援があるような投資家グループから応札される隙を与えかねないことを懸念しているという。政府関係者らは事案の機密性から匿名を条件に語った。

  米政府は、中国勢がWHを買収することにより、軍事または民事目的に原子力関連技術の機密が利用される可能性を懸念している。別の関係者は、米国はWHの過半以上の経営権取得を目的とする中国の入札があれば、ほぼ確実に止めに入るだろうと述べた。米政府には国家機密に関わる技術に関連した企業買収を、法的に規制する権限がある。

  WH広報担当からのコメントは得られていない。

  WHと中国を巡っては、2014年には中国軍当局者5人がWHから貿易関連の機密情報を盗み出す目的でハッキング行為をしたとして米国内で起訴された。16年にも中国の国営原発会社、中国広核集団がWHの原発先端技術に関わる企業秘密を盗むスパイ行為をしたとして米司法当局から起訴されている。

  東芝はWHを06年に54億ドルで買収した。しかし、東日本大震災後の規制強化を受けた原発建設の工期長期化などですでに7000億円の損失を計上。非連結化や売却を狙ったWHの破産処理に伴い17年3月期の連結純損失(赤字)は従来予想の3900億円から1兆100億円に拡大する見通しとなった。

  東芝広報担当の高瀬悠氏は、畠沢常務のWH取締役会議長就任について、「WHは東芝からの非連結化が見込まれており、畠沢の任期は一時的なものと考えている」と述べた。ロデリック氏は2月、WHの巨額損失の責任を取る形で兼務していた東芝電力部門長のを解かれていた。

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