5日の東京株式相場は反発。前日の海外市場で進んだ円高の勢いが弱まり、見直し買いが入った。精密機器株のほか、アナリストの投資判断引き上げを受けたファナック、第1四半期増益の不二越など工作機械株も高い。情報・通信やサービスなど内需株、非鉄金属や商社株も堅調。

  半面、石油、鉱業株が業種別下落率の上位に並び、米国長期金利の低下リスクを懸念する売りで銀行、保険株など金融セクターが軟調。自動車株も安かった。

  TOPIXの終値は前日比0.12ポイント(0.01%)高の1504.66、日経平均株価は51円2銭(0.3%)高の1万8861円27銭。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、国内機関投資家の期初の益出し売り需要は根強いものの、「前日に株価指数が下落していた分、きょうは上昇した。外部環境も悪くなく、売り手も弾みのつくような状況ではない」と指摘。国内外の「企業決算の発表も控え、動きにくい要素もある」と、こう着感の強い相場状況との認識を示した。

東証アローズ
東証アローズ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうのドル・円相場は一時1ドル=110円90銭台と、前日の海外市場で付けた同30銭台に比べるとドル安・円高の動きが一服。午後にかけ一時同50銭台まで円が強含む場面もあったが、その後の勢いは限られた。

  4日の米10年債利回りは2.36%と年初来の低水準付近からやや上昇、同日の米国株も主要指数が小幅ながらプラスだった。海外市場が落ち着きを見せた中、きょうの日本株は反発して始まり、日経平均は一時131円高まであった。

  指数押し上げの一因となったのが工作機械関連銘柄だ。受注の本格回復を見越し、ジェフリーズが投資判断を「ホールド」から「買い」に上げたファナックが日経平均の上昇寄与度でトップ。東証1部の上昇率上位にもツガミ、不二越などが並び、不二越の第1四半期決算は前年同期比10%の営業増益だった。

  ただ、TOPIX、日経平均とも午後に入りマイナス圏で推移する時間帯が増えるなど相場全般の上値は重かった。りそな銀行アセットマネジメント部の下出衛チーフストラテジストは、「日本株の足元の弱さはグローバル景気に敏感な日本株の特徴が顕著に表れた結果。短期的な景気循環のピークアウトが意識されている」と言う。

  米国市場では5日、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートによる3月の民間部門雇用者数のほか、供給管理協会(ISM)の3月の非製造業総合景況指数が発表される。エコノミスト予想の中央値は、ADP雇用者数が18万5000人、ISM非製造業が57.0。前月の29万8000人、57.6からそれぞれ減速する見込みだ。「米国の政策停滞が警戒される中、米企業が設備投資を先送りすると容易に想像できてしまう」と下出氏は懸念を示した。
  
  東証1部33業種は精密や通信、非鉄、鉄鋼、サービス、卸売、小売、陸運など17業種が上昇。石油・石炭製品や鉱業、空運、輸送用機器、銀行、その他金融、保険など16業種は下落。輸送用機器は、ゴールドマンがトヨタ自動車のほか、日産自動車、ホンダの目標株価を引き下げた。売買代金上位ではファナックのほか、3月の受注高が昨年に続く2番目の高水準で健闘したと野村証券が評価した大東建託が高い。ソフトバンクグループや東芝、HOYA、古河電気工業も買われた。半面、ホンダやJXTGホールディングス、スタートトゥデイ、みずほ証券が目標株価を下げた小糸製作所は安い。

  • 東証1部の売買高は18億9216万株、売買代金は前日比13%減の2兆2325億円
  • 値上がり銘柄数は730、値下がりは1154

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