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超長期債が下落、流動性供給入札に不安-オペ減額小幅で中期債は堅調

更新日時
  • 新発40年債利回りは一時1.09%と昨年2月以来の高水準
  • 外債投資も含めて今年度は金利リスクを取りづらい-バークレイズ証

債券市場では超長期債が下落。超長期ゾーンを対象とする流動性供給入札を翌日に控えて売り圧力が強まった。一方、日本銀行の長期国債買い入れオペで中期ゾーンの減額が小幅にとどまったことで先物や中期債が買われ、イールドカーブはツイストスティープ(傾斜)化した。

  5日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.065%で推移。新発20年物160回債利回りが一時1.5bp上昇の0.65%、新発30年物54回債利回りは2bp高い0.875%と3週間ぶり高水準を付けた。40年物9回債利回りは2.5bp高い1.09%と、新発債として昨年2月以来の水準まで売られた。

20年、30年、40年債利回り推移

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「新年度入りして投資家の動きが鈍いせいか超長期債は地合いが悪く、流動性供給入札を控えて弱い。外債投資も含めて今年度は金利リスクを取りづらくなっている印象だ」と指摘。一方、中期債については「オペ減額が市場コンセンサスに比べて小幅だったことが好感された」と言う。

  財務省は6日、残存期間15.5年超~39年未満の国債を対象とした流動性供給入札を実施する。発行額は5000億円程度。バークレイズ証券の押久保氏は、「昨年度に外債投資で損失が出た影響もあるだろうし、円債はまだまだ金利水準が低く、投資家も他の資産に目が向かいやすいのではないか」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比1銭安の150円39銭で取引開始。日銀オペ通知後に買いが優勢となり、150円46銭まで買われた。結局1銭高の150円41銭で終了した。

長国先物の日中取引推移

  新発2年物375回債利回りは1.5bp低下のマイナス0.200%、新発5年物131回債利回りは1bp低いマイナス0.135%までそれぞれ買われた。

日銀買い入れオペの減額

  日銀はこの日、長期国債買い入れオペを実施。買い入れ額は残存期間「1年超3年以下」が2800億円と前回から200億円減額。「3年超5年以下」は3800億円、「5年超10年以下」は4500億円と、それぞれ据え置かれた。先月末に発表された運営方針は、「1年超3年以下」が2000億~3000億円、「3年超5年以下」は3000億~4000億円とレンジを下方修正。市場ではレンジ中央値までの減額が予想されていた。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「金利水準だけ見れば1-3年、3-5年ともに予想以上の減額でも良かったがマイルドな内容だ」と指摘。「今月は金利がある程度大きく動かないと買い入れ額を変更しないかもしれない一方、金利が動いていなくても国債のモノ不足感が変化すれば買い入れ額が変わる可能性がある」とみている。

米10年債利回りとFOMC議事録

  4日の米国債市場では10年債利回りが一時2.31%程度と年初来低水準付近まで低下したが、その後は売られ、朝方の円債相場に影響した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、米国債の動きについて、「ポジション調整的な戻り売りが優勢な展開に転じた」と言う。

  米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日、利上げを決めた3月14、15日開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表する。バークレイズ証の押久保氏は「政策金利の水準に関係なくバランスシートの縮小時期を考えていくような話が出てきており、ヒントになるような内容があれば金利上昇リスクが高い」とみている。

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