米リッチモンド連銀総裁が辞任-12年の情報漏えい問題関与で引責

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  • 「一線を越えたことを後悔」とラッカー総裁
  • 「アナリストにコメントを拒否せず、確認したと受け取られた」

米リッチモンド連銀のラッカー総裁は4日、即時辞任すると表明した。同総裁は、2012年に米金融当局が検討していた政策の選択肢に関する情報の漏えいに自らが関与したことを明らかにした。

  ラッカー総裁の声明によると、12年10月にメドレー・グローバル・アドバイザーズのアナリストと電話で話した際、このアナリストが連邦公開市場委員会(FOMC)会合前の政策当局者の議論に関する「重要な非公開情報の詳細」を持ち出した。これが極めて慎重に扱うべき非公開情報であったため、コメントを断るか直ちにアナリストとの会話を打ち切るべきだったが、「コメントを拒否せず、コメントできないとも言わず、インタビューを続けた」と説明した。声明は法律事務所マクガイアウッズが電子メールで送信した。

  ラッカー総裁(61)は、このアナリストがFOMCの非公開情報を入手しているとFOMCに報告するのを怠ったとも説明。電話取材の翌日にアナリストが顧客向けリポートで政策選択肢の1つの詳細を明らかにしたが、自分がその情報について何もコメントしなかったことが情報を確認したと受け止められたと理解したとし、「この時、一線を越えて機密を維持すべき情報を確認してしまったことを私は後悔している。12年の私の行為は重要な守秘義務方針に反していた」と述べた。

  ラッカー総裁は今回辞任する前に、今年10月の退任を表明していた。4日の電話取材に対しては、声明以上のことを話すつもりはないとしてコメントを控えた。

  このメドレーのアナリストのリポートを受けて連邦準備制度理事会(FRB)は内部調査を実施したが、総裁は12年12月に説明を求められた際にアナリストとの会話について十分に報告せず、15年に法執行当局者から聴取を受けた時に守秘義務違反を明らかにしたという。

  FOMCは12年9月の会合で、いわゆる量的緩和の第3弾として政府支援機関の住宅ローン担保証券(MBS)を 毎月400億ドル購入することを決めた。メドレーのリポートは、利上げに先立つガイドラインとして失業率とインフレ率の水準を採用する可能性を指摘したほか、450億ドル相当の米国債購入も量的緩和プログラムに追加される可能性があるとしていた。

  ラッカー総裁の代理人は、同総裁が法的責任を問われることはないとの見方を示した。連邦法は機密情報を漏えいした政府職員に対し、最高1年の禁錮刑や罰金、公職追放を科すことができる。また機密情報がインサイダー取引に利用された場合、検察は政府職員に対し詐欺罪で訴追することが可能。

  これまで情報漏えいで訴追された米金融当局者は1人しかいない。元ニューヨーク連銀ディレクターのロバート・ラフ氏は1980年代に、公定歩合に関する情報を証券会社にリークした。

  リッチモンド連銀によると、後任が決まるまでマーク・マリニックス第1副総裁が代行する。

原題:Fed’s Lacker Resigns Over Role in Leak of Secret Information(抜粋)

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