4日の東京外国為替市場では円が全面高。米トランプ経済・通商政策やフランス大統領選をめぐって不透明感がくすぶる中、日本株の下落を背景にリスク回避の動きが強まった。

  円は主要16通貨全てに対して上昇。ユーロやオーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドル、南アフリカ・ランドなどに対して昨年11月以来の水準まで円高が進んだ。ドル・円は米長期金利の低下や米国株の下落を背景にドル売り・円買いが進んだ海外市場の流れを引き継ぎ、一時1ドル=110円34銭と1週間ぶりの水準まで下落。午後4時18分現在は110円52銭前後となっている。ユーロ・円は1ユーロ=118円を割り込み、一時昨年11月22日以来の水準となる117円57銭まで円高が進んだ。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、ユーロ・円の調整が深まっていることがドル・円の下げに影響している可能性が高いと指摘。「仏大統領選で本日のテレビ討論会を控えて、ルペン氏の支持率が上昇していることなどが重しになっている。基本的には目立った材料に乏しい中で、不透明感が高いがゆえのリスクオフの動きだと思う」と言う。

  この日の東京株式相場は下落。午後に下げ幅を拡大し、日経平均株価は一時280円近く下落する場面があった。前日の海外市場では米自動車販売がさえなかったことなどが嫌気され、米国株が下落。一方、米国債市場では10年債利回りが7ベーシスポイント(1bp=0.01%)低下の2.32%と2月以来の低水準を付けた。アジア時間4日の時間外取引では2.33%前後で推移している。

  春木氏は、ドル・円にとっては米10年債利回りが昨年12月以降の重要ポイントの2.30%を維持できるかが焦点で、「これを割り込むと、一時的に110円割れのリスクが生じる」と指摘。もっとも、「米経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は悪くはない」とし、週末発表の米雇用統計で堅調な結果を見込む中、「110円割れを見ても、突っ込まないで行きたい」と語った。

  豪ドル・円は1%安の1豪ドル=83円47銭まで下落。予想を上回る豪貿易黒字を受け、一時反発する場面も見られたが、オーストラリア準備銀行(豪中央銀行)の政策金利発表後に一段安となった。豪ドルは対ドルで1豪ドル=0.7562ドルと約3週間ぶり安値まで下落。

  豪中銀はこの日の午後、 市場の予想通りに政策金利を1.5%に据え置く決定を発表した。声明では「最近のデータは、現在の緩やかな成長と整合性がある」と指摘。「労働市場の状況を示す一部指標は最近軟化している。特に失業率が若干上昇しているほか、雇用者の伸びは小幅にとどまっている」と分析した。

  ナショナルオーストラリア銀行(NAB)の通貨戦略グローバル共同責任者、レイ・アトリル氏(シドニー在勤)は、貿易統計後の反発を維持できなかった後だけに、「豪中銀が声明で労働市場の弱含みを認めたことと住宅市場のストレスを弱めるためのマクロプルーデンシャル策を強調したことが豪ドル売りの理由になっているのではないか」と話した。

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