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寝耳に水だったスイス当局-よみがえるクレディS脱税ほう助疑惑

更新日時
  • 英独仏とオランダ当局がクレディSの顧客を捜査
  • 同行の一部オフィスが捜索対象になるとスイスの司法当局は承知せず
クレディ・スイスのロンドンオフィス

クレディ・スイスのロンドンオフィス

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg
クレディ・スイスのロンドンオフィス
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

スイス銀行2位クレディ・スイス・グループに対し、英独仏を含む5カ国の当局が脱税とマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで抜き打ち捜査を実施したが、これはクレディ・スイスだけなく、同行の一部オフィスが捜索の対象になると承知していなかったスイスの司法当局にとっても手痛い打撃だ。

  スイス当局は、同国の銀行による米国人脱税ほう助に関する米当局の大掛かりな調査につながる内部告発を行った米国人バンカー、ブラッドリー・バーケンフェルド氏や、資産隠しに利用されたと考えられる世界中のペーパーカンパニーについて明らかにした「パナマ文書」に関係する一連の金融スキャンダルを経験してきたが、今週はクレディ・スイスへの抜き打ち捜査に伴うダメージを最小限に抑える努力を強いられる。

  スイスの金融市場監督機関であるFINMAは、現地時間4日午前9時半(日本時間同午後4時半)から毎年恒例の記者会見を予定する。3月30日にロンドンとパリ、アムステルダムで行われた捜索に関連し、FINMAのブランソン最高責任者は把握している情報について質問を浴びることになるだろう。5日には、スイスのラウバー検事総長がベルンで記者団から質問攻めに遭うことが予想される。

  オランダ当局は2人を先週逮捕したのに続き、スイスの銀行口座に数百万ユーロを隠し持っていた疑いがある数十人をさらに調べており、英独仏とオーストラリアでも刑事捜査が進められている。一連の捜査は、スイスの銀行が脱税ほう助を巡る問題の決着で米司法省と合意する以前に蓄積され、税金が支払われていない資産の名残なのか、あるいはもっと厄介な問題を示す兆候なのか疑念を生じさせる。

  メインファーストのアナリスト、ダニエル・レグリ氏(チューリヒ在勤)は「使い古されたテーマを再び思い起こさせるものであり、この銀行の評判にとっておおむね好ましくない。クレディ・スイスがしばらく前に既に捨て去ったはずの過去の商慣行をめぐる問題だからだ」と指摘した。

ゼロトレランス

  クレディ・スイスは今週、「脱税に厳しいゼロトレランス・ポリシー(一切容認しない方針)を適用している」と訴える2ページの広告を米紙ウォールストリート・ジャーナルや英紙フィナンシャル・タイムズ、仏紙フィガロを含む新聞各紙に掲載。同行の国際ウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)責任者イクバル・ハーン氏は先週、脱税取り締まりでデータ共有の改善を目指す新たな自動情報交換のルールが導入される前日というタイミングで捜索が行われたことに驚きを隠さなかった。

  スイスの検察当局は3月31日の声明で、捜索について事前に伝えられなかったことに驚いていると説明。マレーシアの政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)からの資金流用疑惑の捜査で、シンガポールおよび米国の検察当局と協力しているスイス当局は、今回は「国際協力のルールが守られなかった」と主張した。

原題:Credit Suisse Probe Puts Swiss Officials on Back Foot Again (1)(抜粋)

(スイスの検察当局の反応などを追加して更新します.)
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