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クレディ・スイスの再建計画、またも不透明に-5カ国が税務調査

更新日時
  • ロンドンとパリ、アムステルダムの事務所に当局が「接触」
  • 多額の罰金や欧州部門からの資金引き揚げへの懸念も-アナリスト

最悪期は過ぎたと思ったのもつかの間、クレディ・スイス・グループのティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)が、自身の進める事業再建計画に打撃となり得る事態に再び見舞われている。

  クレディ・スイスは3月31日、脱税とマネーロンダリング(資金洗浄)を巡る調査に直面していることを明らかにした。調査は5カ国の当局が進めており、数千人の口座保有者に及ぶ可能性がある。同行は5年間で3回目となる増資を株主に要請せざるを得ないかもしれない状況にあり、今回の件は新たな頭痛の種だ。

Tidjane Thiam

ティージャン・ティアムCEO

Photographer: Alessandro Della Bella/Bloomberg

  ティアムCEOは株式発行またはスイス部門の一部の新規株式公開(IPO)を検討している。投資銀行事業を縮小する一方、こうした施策によって資金を確保し、アジアのウェルスマネジメント事業を拡大する戦略だ。同CEOは2月、金融危機時の住宅ローン担保証券事業を巡り53億ドル(約5900億円)の支払いで米当局との決着に至ったことで「状況が一変した」と話していたが、再び不確実な状況に置かれる恐れが出てきた。

  マッコーリー・グループのアナリスト、ピアース・ブラウン氏は「クレディ・スイスにとっての問題は、今回の件の結末がどうなるのか自らが分かっていないように思えることにある」と指摘。「多額の罰金を科されるのか、今回のことで顧客がうんざりして同行の欧州部門から新たに資金が引き揚げられるのか。その2点が懸念されている」と述べた。

脱税容認せず

  クレディ・スイスで国際ウェルスマネジメントの責任者を務めるイクバル・ハーン氏は、会社として脱税を容認しないと強調した上で、顧客への影響を判断するには時期尚早であり、同行の戦略は変わらないだろうと述べた。

  クレディ・スイスは顧客の税務に関連してロンドンとパリ、アムステルダムの事務所で3月30日に当局からの「接触」があったとし、当局に協力していると発表した。調査は秘密裏に進み、スイス当局さえ知らなかった。オランダ当局は2人を拘束し、金の延べ棒や絵画、宝飾品類を押収したほか、スイスの口座に数百万ユーロを隠し持っている疑いで数十人を調べていると31日に発表した。調査はフランス、ドイツ、英国、オーストラリアでも行われている。

  5カ国は欧州連合(EU)の欧州検察機構(ユーロジャスト)を通じて協調行動を取った。ユーロジャストは今回の調査を2016年に開始し、向こう数週間で追加的な行動を起こす公算が大きいとの声明を発表している。

原題:Thiam’s Turnaround Clouded by Tax Probe of Credit Suisse (1)(抜粋)

(第5、7段落にクレディ・スイス幹部のコメントなどを追加して更新します.)
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