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小山田全銀協会長:収益多様化が課題、マイナス金利「逆風」に対応

  • コンサルティングで評価得て、利ざや反転目指す
  • 物価上昇2%目標「長期戦」、マーケット状況検証しながら運用へ

全国銀行協会の小山田隆会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は、日銀によるマイナス金利政策や少子高齢化など「逆風が強い」中、融資業務以外でも取引企業を支援しながら収益の多様化を図っていく必要があるとの見方を示した。日本経済の持続的成長を後押ししていくため、金融機関は付加価値の高いサービスの提供が重要になるとの認識だ。

  1日付で会長に就任した小山田氏(61)はインタビューで、マイナス金利は企業向け融資の増加など「アベノミクス全体の推進力になっている」と述べた。一方、マーケットでの運用環境が厳しくなったほか、銀行にとっては「資金収益が減少」するなど副作用もあると指摘。こうした中、銀行は「適正なリスクを取りながらコンサルティングで評価をいただき、利ざやを反転させていく努力が求められる」と語った。

  金融庁がまとめた金融レポートは、低金利が続く中では規模拡大による収益確保はより難しくなっており、安定的な収益基盤の構築が重要と解説。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)や三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3メガ銀は、利ざや縮小の中で融資利息などの資金利益や手数料の減少が続いており、収益源の多様化が課題となっている。

  小山田会長は、融資業務以外での取り組みとして「ビジネスマッチングや海外進出支援など顧客のビジネスにどう貢献していくかを強化していかなければならない」と語る。手数料収入では「商品・サービスの内容を改良して、全体として収益構造を多様化していくことが必要」と述べた。

早く効果の発現を

  政府・日銀について小山田会長は、昨年9月に新たな枠組みとして長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を導入して政策の軌道修正を図ったことで「今は全体としてはバランスの取れた運用になっている」と評価。ただ、物価上昇2%の目標達成について「長期戦になる」とみており、今後は効果と副作用をみながら「不断にマーケット状況を検証しながら適宜適切に運用していく」と述べた。

  日本経済の持続的成長については、政府が年央にまとめる新しい日本再興戦略が重要とみており「成長戦略や構造改革に向けてさらにスピードを上げ、一歩踏み込んでいくことが大事」と強調。現在続けられている金融緩和の状況下で「効果を早く発現していくこと」が求められるという。

  金融庁は効率的な監督行政を目指して検査マニュアルと監督指針を統合や業態横断的な専門チーム編成など「検査・監督の一体化」の検討を進めている。小山田会長は、「トータルに金融機関の状況をよく見ていただく一体性が高まるのは効果も上がってくると思う」と評価。金融機関としても「ポジティブにみている」と述べた。

経営統合は有力な選択肢

  最近、相次いでいる地方銀行同士の経営統合について小山田会長は「有力な選択肢」との考えを示した。地銀が地域で特色ある経営を展開するには統合ありきではないものの、コスト削減や顧客サービスの充実などが見込めるとの判断があれば、今後も経営統合の動きは「増えていくのかなと思う」と述べた。

  今年に入り、三井住友Fとりそなホールディングス傘下の地銀3行や三重銀行と第三銀行が経営統合で基本合意したと発表。続いて、新潟県長岡市が本拠の北越銀行と新潟市の第四銀行が経営統合に向けて検討を開始するなど業界再編の動きが相次いでいる。こうした中、昨年から検討中のふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合は、地盤の長崎県のシェアが高まることを公正取引委員会が審査している。

  小山田会長は、ふくおかFGと十八銀の統合での公取委による審査について、「どういう領域でシェアを見れば良いのか一つのテーマ」と指摘。県単位か県域を越えて弾力的に見るのかが問われており、「大きな時代の流れと県で見ることの意義をどうバランスさせるかが重要な課題」とし、公取委の判断を注視している。

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