クレディ・スイス、英国やオランダなど5カ国の税務調査に驚く

更新日時
  • ロンドンとパリ、アムステルダムの事務所に当局から「接触」
  • オランダと仏独英豪の5カ国が調査-オランダ当局は2人拘束

クレディ・スイス・グループとスイス当局が、オーストラリアや英国など5カ国による脱税とマネーロンダリング(資金洗浄)調査に驚きを隠せないでいる。調査は数千人の口座保有者に及ぶ可能性がある。

  オランダ当局は2人を拘束して金の延べ棒や絵画、宝飾品類を押収したほか、スイスの口座に数百万ユーロを隠し持っている疑いで数十人を調べていることを3月31日に明らかにした。調査はフランス、ドイツ、英国、豪州でも行われており、行員が果たした役割も焦点の一つだ。

  法律事務所ボナード・ローソンのティエリ・ボアテル弁護士(ジュネーブ在勤)は「膨大な量のデータと国際的な広がりで、この件は通常と異なる」と述べた。

  クレディ・スイスのティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)はウェルスマネジメントに重点を置くとともに、過去の不正行為に対する制裁金などで減少した資本の増強を図っているが、今回の調査でそうした取り組みが損なわれる恐れがある。

  同行は顧客の税務に関連してロンドンとパリ、アムステルダムの事務所で3月30日に当局からの「接触」があったとし、当局に協力していると翌31日に発表。「オランダとフランスの自主的な税開示プログラムを実施し、規則を順守していない顧客との契約を打ち切った」上に、英国との間で結んだ源泉徴収税に関する合意を2013年から適用しているとも説明した。

  クレディ・スイスの国際ウェルスマネジメント部門責任者イクバル・ハーン氏は、調査のタイミングは驚きだったと発言。その上で、調査は外部の複数の個人に関するもので、同行が保有する資産は押収されていないと述べた。

  スイス当局は発表文で、今回の調査が同国への通知なしに行われたと明らかにした。報道官によれば、スイス当局はこの件の調査をしていない。

  5カ国は欧州連合(EU)の欧州検察機構(ユーロジャスト)を通じて協調行動を取った。ユーロジャストは今回の調査を16年に開始し、向こう数週間で追加的な行動を起こす公算が大きいとの声明を発表した。

原題:Credit Suisse Taken by Surprise in Five-Nation Tax Probe (1)(抜粋)

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