4月第1週(3ー7日)の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。日本銀行が10年債利回りの上昇抑制姿勢を堅持するとの見方が強い。米中首脳会談や欧州の政治動向に対する警戒感から、リスク回避的な買いが入りやすいことも背景にある。

  新発10年物国債346回債利回りは0.06%で27日の取引を開始し、米トランプ政権の経済政策をめぐる先行き不透明感を背景に0.055%まで買われた。その後はリスク回避の動きが一服。29日の日銀オペで残存期間3年超5年以下の買い入れが減額されると、徐々に売り圧力がかかり、31日には0.07%と2週間ぶりの水準まで上昇した。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「10年金利の0%ターゲットを維持するという日銀のメッセージはクリアでそれが変わらないと考えれば、金利の適正水準は0%と言える。0.06%~0.07%は買っても良い水準」と指摘。「需給要因で5年を中心に日銀の買い入れ減額が警戒される中期に対して10年債の魅力度が増している」とし、「大幅に金利が下がるというわけでもないが、相場は底堅い雰囲気はある」とみる。

10年債入札

  来週は4日に10年利付国債の入札が予定されている。発行予定額は2兆3000億円と、前回の2兆4000億円から減額される。6日には残存期間15.5年超から39年未満の国債を対象にした流動性供給入札が実施される。発行額は5000億円程度となる。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「10年債は0.05%から買い進むムードではなく、入札自体は上値を抑える要因だ」と指摘。「来週は米中首脳会談や米雇用統計など海外イベントも控えており、新年度に入ったばかりということもあり、投資家の積極的な動きは見込みづらい」と言う。

  3日には日銀が1-3月期の企業短期経済観測調査(短観)を発表する。ブルームバーグの調査では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス14(中央値)と、前回のプラス10から改善が見込まれている。

トランプ大統領と習近平国家主席
トランプ大統領と習近平国家主席
Bloomberg

  6、7日には中国の習近平国家主席が訪米し、トランプ大統領と会談する。貿易や北朝鮮などの問題について一致点を見いだすことを目指す見通し。その他、7日に3月の雇用統計など米国で主要経済指標の発表が予定されている。

  パインブリッジの松川氏は、「年度末に外債ポジションがかなり吐き出されており、海外金利のボラティリティが高い状況下で、取りあえずボラティリティの低い円債を買っておくという動きが出てもいい」と予想。「いずれもう少しサブスタンシャルな物に投資しなくてはいけないが、とりあえず、期初に買うならば10年もありだ」と話した。

市場関係者の見方

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◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*仏CDSがワイド化しており、大統領選の警戒感が出ている。リスク回避の動きが出てもおかしくない
*外債ポジションが吐き出されたが、また外債にいくかというと、円債でも買っておこうかという感じになる
*長期金利の予想レンジは0.04%~0.09%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*利回りが大きく上昇するようなことがあれば日銀の意図に反するので元に戻すだろうし、そんなに心配しなくていい。結局、10年金利がゼロから0.1%の間にあればいいということではないか
*超長期債は買われた分の調整が少しあるかもしれないが、大きく売られるイメージもない
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.09%

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*世界的に市場がリスクオフではない割には、日本国債の市場は落ち着いている。何らかのきっかけでリスクオフが広がらない限り、期初は落ち着いたスタートになるだろう
*10年債入札は心配する必要はないと思う。このゾーンについては日銀が0.10%程度までに利回りを抑える姿勢を明確にしているからだ
*長期金利の予想レンジは長期金利の予想レンジは0.02%~0.09%
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