米国の株価指数に連動するファンドに資金を投じる投資家は普通、サプライズを求めない。だが、ラッセル2000指数連動のファンドで最近それが起きた。ほとんど知られていない中国企業の株価がはっきりした理由もなく急騰したのだ。

  中国で小規模企業向けに融資保証・機器リースを手掛けるウィンズ・ファイナンス・ホールディングス(穏盛金融)は2015年のナスダック上場後、最大4555%値上がり。時価総額が今年2月、90億ドル(約1兆100億円)を突破し、米オンライン融資会社レンディングクラブの約4倍となった。同社の収入はウィンズの50倍あるにもかかわらずだ。

  ウィンズの株価はナスダック総合指数の構成銘柄として過去1年で最大の上昇率を記録したが、同社は株価急騰の理由は分からないとのコメントを発表した。

  ウィンズの筆頭株主である王宏氏はどのように、少なくとも帳面上、巨額の富を得たのだろうか。疑問は解決されていない。

  米証券取引委員会(SEC)への届け出によれば、ウィンズ米国本社の住所はニューヨークのタイムズスクエアにある高層ビルの37階。そこで同社の事業が行われている形跡はなく、代わりに入居しているのは元ウィンズ役員のブラッドリー・ライフラー氏が設立した金融サービス会社、フォアフロント・キャピタル・アドバイザーズだ。

  ライフラー氏はウォール街ではパリ・キャピタルの共同創業者として知られている。同氏は08年ごろにパリを辞めたが、パリの親会社はその後、破産申請している。

  ライフラー氏は今年1月、自己破産を申請し、今はニューヨーク圏北部の広大な農場で生活している。同氏は昨年、ウィンズ役員を辞任。ウィンズが米国での融資事業を検討していた時期で、フォアフロントの融資事業との利益相反を避けたかったからだと今年2月のインタビューで説明。同氏は、届け出書類でウィンズの会長兼共同最高経営責任者(CEO)とされている郝建明氏と最近、昼食を共にしたことを明らかにしたが、誰が今ウィンズを経営しているのかは知らないと話した。

  ウィンズの北京本社を取材したところ、受付で同本社の従業員はわずか数人だとの説明を受けた。受付係は人事に問い合わせたが、人事担当の女性は旅行中だという。取材での訪問前、その女性は米国に電話するよう勧めていた。

  同社がニューヨークに持つ電話番号に電話した際に応対したニール・ゴン氏と名乗る人物は、取材のスケジュールについては中国の幹部に尋ねる必要があると繰り返し述べた。インタビュー取材は実現していない。ウィンズの弁護士、ジョバンニ・カル-ゾ氏(ニューヨーク在勤)はコメントを控えた。

原題:This Chinese Stock Soared 4,500% on Nasdaq and No One Knows Why(抜粋)

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