消費者物価が2カ月連続上昇-失業率22年ぶり2%台

更新日時
  • 生鮮食品とエネルギー除くCPIは0.1%上昇、前月は0.2%上昇
  • 「持続性が伴わない可能性が高い」-みずほ証の上野氏

総務省が31日発表した2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は2カ月連続で上昇した。エネルギーがプラスに転じ、全体を押し上げた。失業率は22年ぶりの2%台まで改善した。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比0.2%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.2%上昇)-前月は0.1%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.1%上昇(予想は0.1%上昇)-前月は0.2%上昇
  • 家計調査は実質消費支出(2人以上の世帯)が1世帯当たり26万644円と前年同月比3.8%減少(予想は1.7%減)
  • 完全失業率は2.8%と改善(予想は3.0%)ー1994年6月以来の水準、2%台も同年12月以来
  • 有効求人倍率は1.43倍(予想は1.44倍)
  • 鉱工業生産指数は前月比2%上昇(予想は1.2%上昇)


背景

  消費者物価指数が13カ月ぶりにプラスに転じた前月に続いてプラスになったのは、ガソリンを含む石油製品の押し上げ効果が強まったことが主因。エネルギー価格は前年比1.6%上昇と2014年12月以来のプラスに転じた。市場ではエネルギーの押し上げ効果や円安の影響により、年内に1%に達するとの見方が出ている。2月まで1ドル=55ドル前後で推移していたドバイ原油は足元で50ドル前後に下落しており、先行き不透明感も根強い。

  日本銀行の黒田東彦総裁は16日の定例記者会見で、生鮮食品とエネルギーを除くベースでみると、「このところは一進一退の動き」となっており、2%の物価目標に向けたモメンタム(勢い)は「なお力強さに欠けている」と指摘。今年後半にかけてコアCPIやコアコアCPIが前年比1%近くになったとしても、「直ちに、機械的に長期金利の操作目標を引き上げていく、という考え方はとっていない」と述べた。

エコノミストの見方

  • みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで、今回の結果が「『エネルギー頼み』の上昇であることは明確」と指摘。「持続性が伴わない可能性が高い」と分析した。全国CPIコアは今後、プラス幅を拡大すると見込まれるものの、日銀の物価目標2%の半分にあたる1%にも届かず「頭打ちになるだろう」とみている。
  • 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは、失業率が「3%を割り込んできたのは象徴的」としつつ、「賃金上昇に結びついてきてない」と指摘した。理論上は需給や失業率によって賃金が決まるはずだが、最近の日本では「生産性や潜在成長率と賃金が連動している」という。
  • 日本政策投資銀行の田中賢治経済調査室長はリポートで、鉱工業生産の「持ち直し基調は継続」しているという見方を示した。だが内需の回復力は弱く、「円安株高が崩れた場合のマインド悪化が不安材料」だという。

詳細

  • 全国総合CPIは前年比0.3%上昇(予想は0.2%上昇)ー前月は0.4%上昇
  • 東京都区部(3月中旬速報)コアCPIは0.4%低下(予想は0.2%低下)と13カ月連続マイナスー前月0.3%低下から下落幅が拡大
  • 生鮮食品とエネルギーを除く東京都区部(同)コアコアCPIは0.2%の下落(予想は0%)と3カ月ぶりの下落
  • 完全失業者数は188万人、非正規労働者数は前年同月比10万人減の2005万人と1年3カ月ぶりに減少
  • 製造工業生産予測指数は、3月は前月比2.0%低下、4月は同8.3%上昇の見込み。経産省は4月について「ここ数年にない高い水準」と分析
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