米ハワイ州ホノルルの連邦地裁判事は29日、イスラム教徒が多数を占める6カ国からの入国を禁止する新大統領令について、暫定的な執行差し止めを延長する決定を下した。法廷で決着がつくまでトランプ政権は入国制限令を執行できないことを意味し、それには数カ月ないし数年かかる可能性がある。

  トランプ政権は新たな大統領令で宗教への言及を全て削除したものの、同地裁のデリック・ワトソン判事は、イスラム教徒の入国禁止などトランプ氏による大統領選での発言が差別的な意図を示していると判断した。司法省はサンフランシスコの連邦高裁に控訴する公算が大きいが、同高裁は最初の大統領令の執行差し止めを支持する判断を下している。

  今回の差し止め延長の判断は、重要な選挙公約の幾つかの法制化が進まず、苦境に陥っているトランプ政権にとってさらなる衝撃となり得る。一方、新旧の入国制限令は建国の精神に反するばかりか、経済を悪化させるとして異議を唱えた州や人権団体、ハイテク企業、大学にとっては再度の勝利となった。

  今月15日に新大統領令の執行差し止めを命じたワトソン判事は、今回の判断でもトランプ氏が選挙前にイスラム教徒の「全面的な入国禁止」などを訴えたことを指摘した。

  新入国制限令をめぐっては、メリーランド州の連邦地裁判事も緊急差し止め命令を出したが、バージニア州の地裁判事は差し止め請求を却下した。トランプ政権はメリーランド州の地裁判断を不服として、バージニア州リッチモンドの連邦高裁に上訴しており、5月8日に審問が予定されている。

原題:Trump Travel Ban Blocked for as Long as Court Battle Goes On (1)(抜粋)

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