米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の破綻処理を発表した東芝の社債保証コストは29日、急拡大した。WHを連結対象から外し、原発事業のリスクを遮断する狙いがあるが、今期(2017年3月期)の純損失額見通しが1兆円超に膨らむことなどが嫌気された。

  WHが米連邦破産法11条適用を申請したのを受けて、CMAによると東芝の3年物CDS(社債保証コスト)は29日(米東部時間)終値で、前日比62bp(ベーシスポイント)拡大し597bpとなった。

  29日の発表によると、東芝はWHに関わる債務保証の履行やWH向け融資について、全額引当金を計上すれば、今期の純損失は1兆100億円に拡大する見込みだと発表。純資産ベースで3400億円の債務超過となる可能性があり、綱川智社長はメモリ事業売却で債務超過脱却を図ると話した。

  大和証券の松坂貴生クレジットアナリストは、WHの破産法適用申請で「東芝のバランスシート自体は悪化が見込まれており、財務修復のハードルは高くなっている」とし、CDS拡大もそれが背景にあるとの見方を示した。SMBC日興証券の原田賢太郎クレジットアナリストも、CDS拡大は「損失の金額に反応したと思う」と指摘し、「基本的には原発リスクを遮断できるが、電力会社による訴訟リスクに不安が残る」と語った。

  東芝は30日午前10時から臨時株主総会を開催し、主力のメモリ事業の分社化について決議、株主から承認を得た。新会社「東芝メモリ」株式は過半を売却し、米原発事業の巨額損失で陥った債務超過状態からの脱却を狙う。株主からは厳しい声も上がり、総会は約3時間半に及んだ。

(第5段落を追加しました.)
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