メイ英首相は29日、欧州連合(EU)に英国の離脱を正式に通知した。離脱合意に向けた最初の提案で自由貿易協定と安全保障協力を絡める意向を示したが、EUの首脳らが即座に反発したことから、メイ首相は今後の交渉で綱渡り的行動を強いられることを自覚したはずだ。

  英EU離脱交渉を担当する欧州議会のフェルホフスタット議員は、「安全保障は極めて重要であるため経済協定と絡めて交渉を始めることはできない」と指摘した。同議員はEU側の最終的判断に発言権を持つだけに、この発言は向こう2年間の離脱交渉が懸念されたように、論争を引き起こし複雑化する兆候を早くも示した。

  メイ首相は同日、英国が2019年3月をめどにEUから離脱すると正式に通知し、銀行によるEU域内への容易なアクセスを維持することも含めた前例のない貿易協定の締結を提案した。しかし、トゥスクEU大統領は貿易を巡る協議について、離脱問題の決着を待つ必要があると述べ、他のEU首脳も英国に金銭的責務を果たすよう要求。メイ首相はこうした便益を確保するのが困難な作業になることを離脱プロセス初日に学んだ。

  EU側の交渉責任者、ミシェル・バルニエ氏は「きょうは極めて長期にわたる困難な道のりの1日目だ」とツイートした。

原題:May’s Opening Brexit Bid to Tie Security to Trade Hits EU Wall(抜粋)

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