米国では早ければ年内にも、新作映画の劇場公開から家庭向けレンタル開始までの期間が現行の90日よりも短くなる可能性が高い。ラスベガスで開かれた映画興行主と映画製作会社などの年次会合「シネマコン」に出席の業界幹部は、変革時期が近いことを強く意識しただろう。

  デジタル・エンターテインメント・グループによると、昨年の米国のDVD売上高は54億9000ドル(約6100億円)と前年比で10%近く落ち込んだが、ストリーミングおよびデジタル販売の拡大を背景に、家庭用エンターテインメント業界全体は1.4%拡大した。映画会社にしてみればデジタル販売の方が実入りが大きいため、劇場での上映を何週間も続けて利益を細らせるより、なるべく早く家庭用にリリースする方がいい。そうすれば劇場公開用と家庭レンタル用で分けて広告を打つ必要がなくなるため、広告費の節減にも一役買う。

  劇場公開から家庭向けリリースまでの期間を短縮するには、劇場公開のわずか数週間後により高い料金を課して家庭で映画を見られるようにする「プレミアム・オンデマンド」という方法がある。映画製作会社の中ではユニバーサル・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース、20世紀フォックスが、このアプローチへの支持を最も声高に表明している。事情を知る複数の関係者によれば、幹部らが妥当と考えるレンタル料は25-50ドル。

  メディア・通信業界の調査会社モフェットネーサンソンの上席アソシエート、ロバート・フィッシュマン氏は、劇場公開から家庭用リリースまでの期間が「2017年に変わるはずだというのが当社の見方だ」とし、「現時点では発表があるのを待っている段階だ」と語った。同氏は関係各社が最終的に30ドルのレンタル料に落ち着くだろうとの見方を示した。

  米大手映画館チェーンのAMCエンターテインメント・ホールディングス、リーガル・エンターテインメント・グループ、シネマーク・ホールディングスは最近、プレミアム・オンデマンド導入を巡り映画会社と協議するのに前向きだと明らかにした。

  このほか、HBOなどの有料ケーブルチャンネルで劇場公開から数カ月で新作映画を放映できるようにする長期契約を映画会社が結ぶことも検討されている。

原題:Playing Soon on a TV Near You: Hollywood’s Latest Blockbusters(抜粋)

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