29日に米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した東芝傘下のウェスティングハウス(WH)は、事業の軸足を原子炉建設から廃炉サービスへと移しつつある。世界の原子炉の半数超で使われている技術を持つ同社の方針転換は、米原子力産業の衰退を示す新たな兆候となった。

  WHはジョージア、サウスカロライナ両州で巨額の負債・違約金を背負う可能性がある原子炉建設事業を縮小し、部品製造や廃炉作業など他の事業を重視したい考えだ。

  原子力業界アナリスト、マイクル・シュナイダー氏は、「WHは自社ウェブサイトで、『われわれこそ原子力です』と誇らしげに述べている。しかしこれが本当なら、WHの破産法適用申請は新たな大型原発の見込みはないことを如実に示す」と指摘した。東芝は原子力産業の将来性を見込んでWHを2006年に取得。しかし11年の東京電力・福島第1原発事故や低コストの米天然ガスの大量供給を受け、同産業の展望は暗くなりつつある。

  WHへの法律面の助言を行っているアリックスパートナーズのマネジングディレクター、リサ・J・ドナヒュー氏は、WHは原子炉建設以外の事業分野は存続可能だと依然考えていると破産申立書で説明。例えば原子炉運営部門は世界で稼働中の原子炉の80%にサービスを提供しており、「収益性は高い」とした。

  世界原子力データベースによると、世界の原子炉754基のうち90基が建設のさまざまな段階で廃炉とされた。90基のうち米国の原子炉は40基で、12基がWH製。

  ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスのアナリスト、 クリス・ガドムスキ氏は29日、「米欧は大型原子炉建設のやり方を忘れてしまった」と指摘。「中国が支配する業界になりつつある」と述べた上で、サウジアラビアや南アフリカ共和国などの市場ではロシアも主な競争相手だと補足した。

原題:Westinghouse Shifts From Building to Dismantling as Nuclear Dies(抜粋)

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