欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、ECB緩和継続報道と英EU離脱手続き開始で

  29日のニューヨーク外国為替市場でユーロが下落。一時5週ぶりの大幅安となった。欧州中央銀行(ECB)当局者がハト派的なメッセージを変えることに慎重だとの報道が手掛かりとなったほか、英国が欧州連合(EU)離脱に向けて動き出したことも影響した。

  英国のEU離脱手続き開始を手掛かりにユーロは1通貨を除く主要通貨全てに対して下落した。ECBでは複数の政策当局者が6月より前に政策メッセージを変更することに慎重になっていると、ロイターが匿名の当局者による情報を基に報じた。この報道後にユーロは下げ幅を拡大した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.4%安の1ユーロ=1.0766ドル、一時は1.0740ドルまで下げた。ドルは対円で0.1%安の1ドル=111円04銭。

  ロイターによれば、ECBの当局者1人が3月9日のドラギ総裁記者会見のメッセージは拡大解釈されていると述べ、ECBは市場に対して異例の支援策はまだ終了していないことを明確に示すことを望んでいると続けた。

  英ポンドは対ドルで100日移動平均付近で推移。一時は1週間ぶりの安値に落ち込んだ。英国のメイ首相はEU離脱のプロセスを正式に開始した。2年後をめどに離脱を実現させ、最大の貿易相手であるEUとの新たな関係を定義するとともに、数十年に及んだ大陸欧州との政治統合深化の流れに終止符を打つ。

  ブルームバーグ・ドル指数はほぼ変わらず。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁は利上げペースを加速させる必要が生じる可能性を示唆した。
原題:Euro Weakens on ECB Comments as U.K. Triggers Brexit Process(抜粋)

◎米国株:S&P500種は小じっかり、エネルギーに買い-ダウは下落

  29日の米株式相場はまちまち。S&P500種株価指数は小幅上昇した。市場では経済データに注目しつつ、トランプ政権による税制改革などの行方を見極めようとする動きが続いている。

  この日は原油相場が上げを拡大。政府の統計を受けて在庫膨張への懸念が後退した。これを手掛かりにS&P500種株価指数ではエネルギー銘柄が特に上昇した。一方で銀行株は下落。この日の出来高は58億6000万株と、今年3番目に低い水準だった。

  S&P500種株価指数は前日比0.1%高の2361.13。ダウ工業株30種平均は42.18ドル(0.2%)安の20659.32ドル。 

  S&P500種の業種別11指数ではエネルギーのほか、不動産も上昇した。一方で公益事業や金融は値下がり。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が前日比1.14ドル(2.36%)高い1バレル=49.51ドルで終了。終値としては3月8日以来の高水準となった。

  朝方発表された2月の米中古住宅販売成約指数は前月比5.5%上昇、2010年7月以来の大幅な伸びとなった。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は2.5%上昇だった。
原題:U.S. Equities Climb on Muted Volume as Oil, Energy Stocks Rally(抜粋)
原題:U.S. Stocks Rise With Oil, Pound Falls on Brexit: Markets Wrap(抜粋)
原題:Pending Sales of Existing Homes in U.S. Rise Most Since 2010(抜粋)

◎米国債:反発、ECBが政策メッセージ変更に慎重との報道で

  29日の米国債相場は反発。ユーロ圏の国債につれて買いが入った。欧州中央銀行(ECB)では複数の政策当局者が6月前に政策メッセージを変更することに慎重になっているとのロイター通信の報道が手掛かりになった。

  ロイターが引用した複数の当局者は債券利回りがこれ以上上昇すれば、ECBにとって問題になると話した。当局者の1人によれば、売りを誘った3月9日のドラギ総裁記者会見のメッセージは拡大解釈されている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.38%。

  米国債はドイツ国債とほぼ同時にこの日の高値を付けた。7年債入札(発行額280億ドル)で最高落札利回りが入札前取引の入札締め切り時点の利回りを小幅ながら下回ったため、米国債は入札後も堅調を維持した。米金融政策当局者2人が利上げペース加速の可能性に言及したものの、相場に大きく響かなかった。

  7年債の最高落札利回りは2.215%。入札前取引の入札締め切り午後1時時点の利回りは2.219%だった。ストーン・アンド・マッカーシーによると、落札利回りが入札前取引の利回りを下回るのは7年債入札としては4回連続。

  間接入札者の落札全体に占める割合は71.17%と、これまでの記録で上位に位置する水準。応札倍率は11月以来の高水準となる2.56倍だった。

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は今年3回を超える利上げを排除しない考えを示した。ボストン連銀のローゼングレン総裁は今年全体を通じて隔会合ごとに利上げを実施することを支持し、年4回の利上げを示唆した。シカゴ連銀のエバンス総裁は今年あと1回もしくは2回の利上げを支持した。
原題:Treasuries Gain With European Bonds as ECB Said to Be Cautious(抜粋)

◎NY金:小幅安、英EU離脱の不安再燃で四半期では1年ぶり大幅高

  29日のニューヨーク金先物相場は下落。英国の欧州連合(EU)離脱に向けた不安が市場に戻ったことから、金は四半期ベースでは1年ぶりの大幅高となっている。

  シンク・マーケッツUKのチーフマーケットアナリスト、ナイーム・アスラム氏は「英国は交渉を開始するが、経済は順調にいかないとトレーダーらはみている」と指摘。「金への関心は強まりつつある」と述べた。

  ブルームバーグのデータによると、ロンドン時間午後7時9分現在、金スポット相場は前日比0.3%高の1オンス=1008.50ポンド。ポンド建ての金は四半期では29日までの時点で8.5%高と、2016年4-6月(第2四半期)以来の大幅上昇。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)のドル建ての金先物は四半期で9.1%高となっており、昨年3月以来の大幅上昇。金先物6月限は前日比0.2%安。
原題:Return of Brexit Fears Helps Send Gold to Best Quarter in a Year(抜粋)

◎NY原油:続伸、米石油製品在庫の減少と精製活動の高まりで

  29日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。米エネルギー情報局(EIA)が朝方発表した週間統計で市場の予想を上回るガソリン在庫減少と製油所の石油精製量増加が示されたことを受けて買いが入った。2日続伸は約1カ月ぶり。

  ジョン・ハンコック(ボストン)で石油・天然ガス関連のポートフォリオを運用するアダム・ワイズ氏は電話インタビューで、「原油と石油製品を含む総在庫が減り、それが支援材料になった。製油所の稼働水準が高まっていることから、原油在庫の減少が近く確認できそうだ」と話した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比1.14ドル(2.36%)高い1バレル=49.51ドルで終了。終値としては3月8日以来の高水準となった。北海ブレント5月限は1.09ドル高い52.42ドルで取引を終えた。
原題:Oil Rises as U.S. Fuel Supplies Fall, Refinery Crude Use Spikes(抜粋)

◎欧州株:ストックス600上昇、石油ガス高い-英FTSE100は下げ解消

  29日の欧州株式相場は上昇。原油高を背景に石油・ガス株が買われた。英FTSE100指数は一時の下げを消し、上げに転じて終了した。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.3%高の378.53で終了。米原油在庫が予想ほど増加せず原油価格が上値を伸ばしたことが背景にある。ストックス600指数は月初来では2.2%上げており、このままいけば3月としては2010年以来の大幅高となる。

  FTSE100指数は一時0.4%下げたものの、0.4%高で引けた。メイ英首相が欧州連合(EU)離脱のプロセスを正式に開始し、ポンド安に振れたことが材料視された。

  ストックス600指数の業種別指数で、石油・ガス株指数は1%高と、上昇率首位。銅相場上昇で鉱業株指数は0.9%値上がりした。

  ETXキャピタルの市場アナリスト、ニール・ウィルソン氏はリポートで、「ポンドと英資産は長期的にボラティリティーが高い局面にある。現時点では詳細が全てだ」と指摘した。
原題:Europe Stocks Rise With FTSE 100 as Oil Climbs on Inventory Data(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債、上昇-総裁発言が拡大解釈されているとの報道で

  29日の欧州債市場ではドイツ国債が一時の下げを解消し上昇した。ロイター通信がECB当局者の情報を基に、今月のドラギ総裁の記者会見でのメッセージは「かなり拡大解釈されている」と報じたことが手掛かり。

  ポルトガル国債も買われた。トレーダーによればショートカバーが入った上、取引が限定的だったことが上昇要因。ギリシャ国債は大幅上昇し、2年債利回りは40bp低下。同国政府と債権団の協議が続いており、EU当局者は30日までに合意がまとまると期待している。
原題:Bund Futures Rally on Report on ECB; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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