英国のメイ首相は欧州連合(EU)離脱のプロセスを正式に開始した。2年後をめどに離脱を実現させ、最大の貿易相手であるEUとの新たな関係を定義するとともに、数十年に及んだ大陸欧州との政治統合深化の流れに終止符を打つ。

  メイ首相が署名したリスボン条約50条発動の書簡を受け取ったトゥスクEU大統領は、決定から「9カ月後に、英国は行動した」と、ブリュッセル時間29日午後1時28分にツイッターでコメントした。

 メイ首相はその直後ロンドンで議員らに「引き返すことはできない歴史的な瞬間だ。私は英国を信じ、英国にとって最良の日々がこれからやってくると信じる」と言明した。

U.K. ambassador to the EU Tim Barrow delivers Theresa May’s letter to Donald Tusk in Brussels, March 29.
U.K. ambassador to the EU Tim Barrow delivers Theresa May’s letter to Donald Tusk in Brussels, March 29.
Photographer: Emmanuel Dunand/AFP via Getty Images

  離脱交渉での優先課題を説明した今年これまでの演説よりは融和的な論調で、EUとの間に「深く特別な協力関係」を築きたい考えを表明。27カ国となったEUの「繁栄と成功」のために英国は力を尽くすと語った。

  とはいえ、既に交渉の順序についての意見対立が明らかだ。メイ首相が離脱条件と同時に将来の協力関係を交渉したい考えを示す一方で、トゥスク大統領は「秩序ある離脱のための全ての重要点」が協議の中心になると言明している。
  
  予想外の国民投票結果でEU離脱が決定してから9カ月を経て、残る27加盟国との間で複雑な離脱条件を決定するための闘いの幕が開いた。拠出金や貿易、移民についてこれまでに交わされた言葉は、双方に負担を強いる厳しい交渉の道のりを示唆している。

原題:Brexit Begins as EU’s Tusk Receives Divorce Papers from U.K. (1)(抜粋)

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