ドル・円は111円台前半、米経済指標やFRB副議長発言が支え

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  • 一時113円32銭と3営業日ぶり高値を付けた後、伸び悩む
  • リスクセンチメント持ち直し、短期的なドル売り一服-バークレイズ

29日の東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台前半で推移。米消費者信頼感指数が約16年ぶりの水準に上昇したことや、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長の利上げを巡る発言などが支えとなった。

  午後3時25分現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの111円17銭。午前に一時111円32銭と3営業日ぶりの水準までドル高・円安が進んだ後は伸び悩む展開となった。

  前日の米国市場でドル・円は111円台を回復し、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は3月2日以来の大幅高となった。米医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の採決断念を受けて、ドル・円は27日に一時110円11銭と昨年11月18日以来の水準まで下落していた。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームの西田朋広主任調査役は、「ドル・円は自律反発。だいぶ下がっていた米金利も、起債や入札、さらに強い米消費者信頼感指数などで上昇してきた。ドル・円も110円前半での底堅さを確認したこともあり、短期筋のショートカバー(売り建ての買い戻し)が主導しているようだ」と指摘。「チャート的にはじり安が続く中で戻しても上値は切り下がっており、本格的な反発と言うわけでもない」と述べた。

  米民間調査機関コンファレンスボードが28日発表した3月の消費者信頼感指数は125.6と前月116.1から上昇し、2000年12月以来の高水準を記録した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は114だった。

  フィッシャーFRB副議長は、経済専門局CNBCとのインタビューで、今年はあと2回の利上げが「おおむね適切」との見方を示した。また、パウエルFRB理事はウェストバージニア州での講演後に記者団に対し、金融政策は依然として若干緩和的と指摘。米連邦公開市場委員会(FOMC)が打ち出した経路で今年さらなる利上げの余地があるとの見解を示した。

  28日の米国株は反発。米国債相場は反落し、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp)上昇の2.42%程度で終了した。

  バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストは、「米経済指標が強かったことを受けて、米金利も先週末の水準に戻し、ドルの買い戻しを誘った」とした上で、米国や新興国の株式相場の上昇でリスクセンチメントも持ち直したと説明。「オバマケア改廃法案を議会で通せず、税制改革はどうなるのかという懸念は続くが、すぐに決まる話ではない。短期的なドル売りは一服した。米利上げが何回になるのか、今週はFRB高官の発言が多いので注目している」と語った。

  29日には、シカゴ連銀のエバンス総裁がドイツで講演するほか、ボストン連銀のローゼングレン総裁とサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が米国内で講演する予定。

  三井住友信託の西田氏は、「一時の前のめりの米利上げへの警戒感ははけている一方、FRBの今年3回の利上げスタンスは変わっておらず、ドルのサポート要因になりそう」とした上で、来週は米供給管理協会(ISM)景況指数や米雇用統計の発表があるため、市場の関心が金融政策に向けば、ドル買いにつながる可能性があるとの見方を示した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.0803ドル。ポンド・ドル相場は0.5%安の1ポンド=1.2390ドル。一時1.2377ドルと21日以来のポンド安・ドル高水準を付けた。

メイ英首相

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  メイ英首相は29日、英国の欧州連合(EU)離脱手続き開始を正式に通告する。一方、スコットランド議会は28日、英国からの独立問う住民投票の再実施を支持した。

  バークレイズ証の門田氏は、ポンド・ドルについて「ポンドは英国のEU離脱通告など政治的な不透明要因が重しになりやすい。もっとも、リスボン条約を発動して具体的な進展を見ないと、ここからの一段のポンド売りはないだろう。報道によって上下に振らされやすい」と述べた。

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