中期債下落、予想外の日銀オペ減額で売り優勢-超長期は年度末の買い

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  • 5年債利回りが上昇する一方、20年債利回りは約2カ月ぶり低水準
  • オペ運営方針、発行額が減るのに見合った減額はある-岡三証

債券市場では中期ゾーンが下落。日本銀行が残存期間3年超5年以下の国債買い入れオペを市場予想に反して減額したことで売り圧力が強まった。一方、超長期ゾーンでは投資家から年度末の買いが入り、イールドカーブはフラット(平たん)化した。

  29日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.06%で推移した後、0.055%に戻した。新発5年物131回債利回りは1.5bp上昇のマイナス0.14%と21日以来の高水準。新発2年物374回債利回りは1.5bp上昇のマイナス0.25%と15日以来の水準を付けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀がやや予想外のタイミングでオペを減額したので若干売られた。4月から発行額が減るので、オペの運営方針でもそれに見合った減額はあるだろう」と指摘する一方、「年度末の残高調整的な買いで超長期はむしろ堅調になっており、相場の方向感が出ているとは言いづらい」と言う。

  超長期ゾーンでは20年物160回債利回りが1bp低い0.615%と、新発債としては1月24日以来の水準まで買われた。新発30年物54回債利回りは1bp低下の0.815%を付けた。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比1銭高の150円46銭で開始。徐々に売りが優勢となり、日銀オペ通知直後に150円39銭を付けた。午後も売り圧力が続いたが、取引終了にかけて買い戻され、結局は横ばいの150円45銭で終了した。

オペ減額と運営方針

  日銀はこの日、国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年超3年以下」が3000億円、「5年超10年以下」は4500億円と前回から据え置かれたが、「3年超5年以下」は3800億円と200億円減額された。応札倍率は「1年超3年以下」が3倍台に上昇する一方、「3年超5年以下」は前回並み。「5年超10年以下」は2倍台に低下した。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「月末間際になって3-5年の買い入れ額を変化させたのはサプライズ」としながらも、5年債について4月から発行額が2000億円減の月2兆2000億円になり、「1回のオペの買い入れ額が4000億円だと日銀買い入れシェアが102%になるが、3800億円なら97%と発行額を超えない」と指摘した。

  日銀は31日に「当面の長期国債買い入れの運営」について発表する。前回からオペ実施日程を公表している上、初回オファー額の発表を取りやめたため、1回当たりのオファー額のレンジが注目されている。岡三証の鈴木氏は、「20年債までの発行減額に対してオペも減額されて不思議はない。場合によっては10年ゾーンの減額もあり得る」と指摘する。

米国債市場

フィッシャーFRB副議長

Bloomberg

  28日の米10年債利回りは前日比4bp上昇の2.42%程度だった。社債発行の活発化やフィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が今年あと2回の利上げを示唆する発言で売られた。一方、米株式相場は反発。米消費者信頼感指数が16年ぶりの高水準となり、景気に楽観的な見方が広がった。ダウ工業株30種平均は0.7%高の20701.50ドルで引けた。

  ただ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「オバマケア代替法案の撤回でトランプ政権の政策遂行力への懸念が強まっており、足元の消費者マインドは統計が示すほど強くない可能性がある」と指摘した。

  岡三証の鈴木氏は、米10年債利回りは2.5%近辺でもみ合いが続くと予想する。「先行きの利上げ観測がある中でどんどん低下するのが難しい一方、すぐに利上げが警戒されるわけでもない。トランプ政権の運営に対する不安が続くのも間違いない」と指摘した。

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