米下院共和党は金融規制改革法(ドッド・フランク法)の抜本的見直しに熱心に取り組んでいる。ただし見直しを延期しても構わないという部分がある。

  デビットカードを利用する消費者の購入金額に応じて加盟店の小売業者がカード発行会社に支払う決済手数料に新たな上限を設けた条項だ。一般に銀行はこの制限に反対し、小売業者は賛成している。ドッド・フランク法見直しで議会を説得できる可能性は低い。銀行と小売業者双方は多額の資金を使い、この条項をめぐり議会へのロビー活動の手を緩めていない。

  JPモルガン・チェースを含む大手銀行は、この手数料収入をサイバーセキュリティー強化など使っており、政府は上限を設定すべきではないと主張。ウォルマート・ストアーズなどの大手小売業者は、低手数料は低価格を意味し、クレジットカード業界は独占に近い状態にあり、さらなる規制が必要だとしている。

  スワイプフィーと呼ばれるこの手数料は、ビザやマスターカードが設定するものの、大半は銀行の収入となる。民主党のリチャード・ダービン上院議員(イリノイ州)の提案でドッド・フランク法に付加された「ダービン修正条項」で、決済当たり約24セントの上限が設けられた。同修正条項前は平均約44セントだった。クレジットカード手数料は現状維持。ゴールドマン・サックス・グループのアナリストによると、同条項により銀行業界は90億ドル(約9970億円)の手数料収入を失ったことになる。

  民主党のジム・ハイムズ下院議員(コネティカット州)は「頭の痛い問題だ」と指摘、「利益相反の二つの業界のどちらかを選ばなくてはならないからだ」と述べた。

原題:Caught Between JPMorgan and Wal-Mart, Congress Avoids Swipe (1)(抜粋)

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