ニューヨーク・マンハッタンのミートパッキング地区のすぐ北にある「タオ・ダウンタウン」は、2013年の開業以来、金離れがよいスポーツ選手やセレブ、ビジネスマンらからひいきにされているレストランだ。米メディア「レストラン・ビジネス」の年次調査によると、16年飲食売上高が3400万ドル(約37億6000万円)近くに上り、ニューヨークの独立系レストランで1位、全米でも3位だったのがこの店だ。

レストランでアルコールが売り上げに占める割合は20%台というのが通常だが、ここタオ・ダウンタウンでは50%以上と格段に高い
レストランでアルコールが売り上げに占める割合は20%台というのが通常だが、ここタオ・ダウンタウンでは50%以上と格段に高い
Source: TAO Downtown

  では全米ランキングの1位はと言えば、やはりタオ・グループが経営するラスベガスの姉妹店「タオ・アジアン・ビストロ」で売上高は約4800万ドルだった。同グループはニューヨークで展開する「ラボ」も2750万ドルで6位に入るなど、昨年のランキングを席巻。タオ・グループは4月にロサンゼルス初出店を控えており、その他の米都市やアジアに進出する計画もある。

タオ・グループの下で黒字経営しているラスベガスのクラブ「マーキー」
タオ・グループの下で黒字経営しているラスベガスのクラブ「マーキー」
Source: Tao Group

  タオ・ダウンタウンは総面積2万2000平方フィート(約2044平方メートル)、ダイニングルームの座席数300とニューヨーク基準では破格の広さで、夜な夜な1200人程度の客が来るという。筆者はタオ・グループの成功の秘密を探るため、共同創業者のリッチ・ウルフ氏にタオ・ダウンタウンの舞台裏を案内してもらった。

タオ・グループの共同創立者、リッチ・ウルフ氏
タオ・グループの共同創立者、リッチ・ウルフ氏
Photographer: Denise Truscello

  タオでの第一のルールは、客に立ち去る理由を与えないことだ。中に入ると薄明かりのバーがあり、ほとんどの客はここでまず一杯飲む。その下の階にはライブDJがいるダイニングルームと、常に超満員のナイトクラブがある。このクラブには、ディナー客であればより優先的に入れてもらえるという。食事のオーダーは午前2時までだが、クラブは4時まで営業を続けている。

  次に、ここで食事をしたいと人々に思わせる店にすること。レストラン事業パートナーでもあるシェフのラルフ・スキャマデラ氏は料理のインスピレーションを得るため香港とシンガポール、東京を定期的に訪れる。一番人気は味噌漬けしたチリ産シーバスのサテ(23ドル)。ウルフ氏に言わせると、これがタオ「帝国を築き上げたメニュー」だ。

味噌漬けチリ産シーバスのサテ。タオを一大帝国に育てた大人気メニューだ
味噌漬けチリ産シーバスのサテ。タオを一大帝国に育てた大人気メニューだ
Source: TAO Downtown

  大型会議に出席するため訪れている客を重視し、会議スケジュールに合わせて、前もって特別メニューを準備していることも奏功しているようだ。客層ごとに来店時間や曜日ごとの傾向も熟知する。スキャマデラ氏は、売り上げが最も多いのは水曜日と木曜日で、会議参加者の中では建設・コンクリート業界関係者が特に飲食代を惜しまないと話す。

タオ・ダウンタウンの1日の来客数は1200人前後を数える
タオ・ダウンタウンの1日の来客数は1200人前後を数える
Source: TAO

  タオでは、売上高の半分強を占めるというアルコール販売比率の高さも見逃せない。大半の店は20%台だ。売れ筋はウオッカをベースにした「ルビー・レッド・ドラゴン」(別名:タオティーニ、17ドル)。この価格は少なくともニューヨークのカクテルラウンジの相場からすると法外ではない。グラス売りアルコール飲料の単価は20ドル程度。

タオはこの春ロサンゼルスにもレストランをオープンする
タオはこの春ロサンゼルスにもレストランをオープンする
Source: TAO

原題:Secrets From the Highest-Grossing Restaurant in New York(抜粋)

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