大阪高等裁判所(山下郁夫裁判長)は28日、高浜原子力発電所3、4号機の運転停止を命じた大津地方裁判所の仮処分を不服として、関西電力が申し立てた保全抗告を認める決定を下した。全国で初めて運転中だった原発を差し止めた同地裁の決定について、高裁が退ける結果となった。

  関西電は同日、福井県をはじめ同原発の立地地域の理解を得ながら同3、4号機の再稼働に向けて準備を進めるとのコメントを発表した。

  高浜3、4号機を巡っては、2015年1月に滋賀県住民29人が運転停止を求める仮処分を申し立て、16年3月に大津地裁が住民らの訴えを認める決定を下した。これを受けて関西電は運転中の高浜3号機、運転準備中の4号機を停止させるとともに大津地裁に異議を申し立てた。同年7月に大津地裁が異議を却下したことで、同社は大阪高裁に不服を申し立てていた。

  11年の福島第一原発事故前に原発の発電構成比率が最も高かった関西電は、事故後に見直された規制基準への適合性審査を精力的にこなし、保有原発9基中7基が事実上合格している。ただ現状稼働中の原子炉はなく、今回の仮処分も含めて4つの訴訟を抱えている。大飯3、4号機は福井地裁による第一審判決で運転禁止を命じられ、名古屋高裁金沢支部に控訴中だ。

  関西電は高浜3、4号機が再稼働することで2基合わせて月70億円の収益改善効果を見込む。仮処分決定により停止していた1年間分の損害賠償を求めるかは現時点で決定していないものの、同社によると、原発の不足分を補うための追加の火力発電用燃料コストは、昨年7月時点で1日当たり3億円、燃料価格の変動により足下では同2億円の費用が余分にかかっているという。

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