ダウ・ケミカルデュポンの770億ドル(約8兆5000億円)規模の合併計画を、欧州連合(EU)の反トラスト(独占禁止法)当局が条件付きで承認した。デュポンが世界的に展開する農薬事業の主要部分売却を含む大幅な譲歩案で調整がついた。

  ダウとデュポンの計画は、世界の農薬業界地図を大きく塗り替えるとみられる3つの合併・買収(M&A)案件の中で最初に欧州委員会の承認を受けた。EUはこのほかにも独バイエルの米モンサント買収計画や中国化工集団(ケムチャイナ)によるスイスのシンジェンタ買収計画の審査に入っている。

  EUは電子メールで配布した声明で、合併すれば両社が直接競合している領域で新製品開発投資を減らしていた可能性を示す「具体的な証拠」があったと言及した。

  デュポンは研究開発(R&D)を含めた農薬事業の「主要部分」の売却に応じた。これには穀物・菜種・コメなどに使用する農薬や果物・野菜向けの殺虫剤の製造工場・人員のほか、「世界的なR&D組織」の大半が対象となる。一方のダウは、酸共重合体を製造しているスペインと米国の2工場の売却を進める。

  欧州委員会のベステアー委員(競争政策)はブリュッセルで開いた記者会見で、合併が「新しくより良い製品に向けた革新の抑制につながらないよう配慮することが重要だ」と強調した。

  ダウとデュポン合併に向けた次のハードルは米当局の承認だ。事情を知る関係者の1人によると、米司法省も承認条件として資産売却を求めるもようだ。

原題:Dow-DuPont Deal Wins Conditional Antitrust Approval From EU (2)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE