欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが下げ幅縮小、一時はリフレ取引再考で4カ月ぶり安値

  27日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。トランプ政権への期待を背景にしたリフレ取引は影を潜めている。ただ、ドルの主要10通貨に対する動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時4カ月半ぶりの低水準を付けた後、下げ幅を縮小した。

  ニューヨーク時間午後5時10分現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は前営業日比0.4%安。ヘルスケア法案が24日、採決に至らず撤回されたことから、米財政拡大を基にした世界的なリフレ取引が見直されている。

  この日のドルは逃避需要を背景に対円とスイス・フラン、英ポンドに対して特に下げた。一方、原油と商品の下落から新興市場国通貨に対するドルの下げは小幅だった。

  ドルは対円で0.6%下げて1ドル=110円66銭。対ユーロでは0.6%下げて1ユーロ=1.0864ドルとなっている。

  ドルは幅広く下げているが、対円では大統領選挙後につけた値上がり分のうち半分超を確保している。ドルは心理的に節目となる水準の1ドル=110円を維持し、109円93銭の50%リトレースメントを上回っている。

  公に話す権限がないとして匿名を条件に述べたアジアと欧州のトレーダーは、ドル買い注文が110円付近に仕掛けられていることも、この日のドル安に歯止めをかけたと話す。同トレーダーは1ドル=109円80銭で新たな注文が仕掛けられている可能性があると指摘する。テクニカル分析によると、これは11月18日に記録した安値からの支持線と一致する水準だ。

  ユーロは対ドルで一時1ユーロ=1.0906ドルと、11月11日以来の高水準まで上昇したが、その後上げ幅を縮小した。  
原題:Dollar Pares Decline to 4-Month Low in Reset of Reflation Trade(抜粋)

◎米国株:下げ縮小、ヘルスケア法案の断念嫌気も成長政策見極めへ

  27日の米株式相場は下落。下院共和党がヘルスケア法案の採決を断念したことを嫌気し、リスク資産に売りが広がった。ただ今後の成長政策を見極めようとの見方も次第に台頭し、株価は下げ幅を縮小した。S&P500種株価指数は一時1%近く下落していたが、その下げをほぼ埋める展開となった。

  共和党の焦点が減税や規制緩和に移る中、この日は病院経営関連の上げが目立った。銀行株は下げを縮小した。

  S&P500種株価指数は前週末比0.1%下げて2341.59。一時0.9%安となる場面もあった。ダウ工業株30種平均は0.2%安の20550.98ドル。

  S&P500種の業種別11指数では金融や資本財・サービス、公益、不動産などが下落。不動産と公益は一時上げていたが、下げに転じた。

  ヘルスケア法案の採決断念後、トランプ大統領は税制改革に着手する意向を示した。

  ゲーブカル・リサーチのアナリスト、タン・カイ・シャン氏はリポートで、「税制改革への障害は、少なくともヘルスケア法案をめぐる障害と同じくらい大きい」とし、「財政・規制改革にかかる時間は、多くの投資家が当初想定していたよりもずっと長いことが極めて明確になった」と続けた。

  HCAホールディングスやユニバーサル・ヘルス・サービシズ(UHS)が高い。医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃断念が病院運営株のプラスに働くとの見方が広がった。

  KBW銀行指数は0.4%下落。ゴールドマン・サックス・グループはダウ平均で2番目に大きな下げとなった。
原題:U.S. Stocks Pare Losses as Health-Care Shares Gain, Bonds Rally(抜粋)
原題:Risk Rout Eases as U.S. Stocks, Dollar Trim Losses: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:続伸、トランプ景気への期待薄れる-ヘルスケア法案失敗で

  27日の米国債相場は続伸。米下院が前週末にヘルスケア法案の可決に失敗したことから、トランプ政権が減税などの政策を推進する能力に疑問が強まっている。

  利回りは強い抵抗線と考えられている水準に近づいた後、下げ幅を縮小した。中長期債の入札が始まったが、ミシュラー・フィナンシャル・グループのトレーダー、グレン・カペロ氏によると、前週にヘルスケア改革法案の行方に注目が集まったため、市場では入札への準備が遅れている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.38%。昨年9月以降で初めて100日移動平均を下回った。

  カペロ氏によれば、最近は米国のリアルマネー系の投資家が売り手に回っている一方、欧州勢は高利回りを求めて買いを入れている。

  原油や株式などリスク資産の安定やドイツ国債の伸び悩みも、米国債相場の上げ幅縮小に影響した。

  2年債入札では最高落札利回りは1.261%。入札前取引の入札締め切り時点の利回りは1.260%だった。間接入札者の落札全体に占める割合は53.6%と、2016年2月以来の高水準だった。ただ、プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札の割合が10.8%に低下したため、プライマリーディーラーの比率は35.7%に上昇した。

  28日には5年債(発行額340億ドル)、29日には7年債(同280億ドル)の入札が予定されている。今週はインデックスファンドによる月末特有の保有債券のデュレーション(残存期間)拡大に伴い、利回りは一段とフラット化する可能性がある。
原題:Treasuries Higher as Expectations for Fiscal Stimulus Fade(抜粋)

◎NY金:続伸、1カ月ぶり高値-トランプ政権の政策不安で逃避需要

  27日のニューヨーク金先物相場は続伸。1カ月ぶりの高値となった。米ヘルスケア法案が採決に至らず失敗に終わったことで、トランプ米大統領の経済政策運営に対する不安が高まり、逃避資産の買いが活発になった。

  エレメンタルのトレーディング責任者、ブラッド・イエーツ氏は「トランプ政権がヘルスケア改革に関して何も成し遂げられなかったことを受けて、懸念が広がった」と指摘。「米国株に対する強気な見方はトランプ政権が成長優先かつ企業優先になるとの期待に基づいている。そうした楽観が若干巻き戻されている」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前週末比0.6%高の1オンス=1258.80ドルで終了。一時は1264.20ドルと、2月27日以来の高値をつけ、200日移動平均線の1263.04ドルを上回った。

  銀先物は3営業日続伸。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウム先物は下落、プラチナは上昇した。
原題:Trump Stumble Propels Gold Toward Key Level in Haven Revival(抜粋)

◎NY原油:反落、産油国の減産延長検討合意は材料視されず

  27日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国は週末クウェートで開いた産油国閣僚会合で協調減産の延長を検討する方針を決定したが、市場では世界の余剰在庫解消にはまだ時間がかかるとの懸念は解消しなかった。

  エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話取材に対し、産油国の「口先介入に市場はうんざりしている」とし、減産合意の「延長は今回の会合で提言されるに至らず、危うい状態にあるのは明らかだ」と話した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前週末比24セント(0.50%)安い1バレル=47.73ドルで終了。日中は47.08ドルと、22日につけた昨年11月末以来の安値の47.01ドルに近づく場面があった。北海ブレント5月限は5セント安い50.75ドルで取引を終えた。
原題:Oil Falls as Traders Shrug Off OPEC-Led Pledge to Mull Extension(抜粋)

◎欧州株:下落、米国株安に追随-米政権の経済政策実行力への不安で

  27日の欧州株式相場は下落。米国株安に追随した。24日に米下院共和党がヘルスケア法案への支持を十分に集められず採決を断念したことを受け、トランプ大統領の経済政策実行力に対する疑念があらためて広がった。

  指標のストックス欧州600指数は前週末比0.4%安の375.01で終了。昨年11月以来のトランプ相場で最も恩恵を受けていた鉱業株指数はこの日、3.3%下げた。ストックス600指数は月初来では1.3%高、ユーロ・ストックス50指数は3.5%上げているのに対し、米S&P500種株価指数は1.1%下げている。

  ギリシャ株は売り浴びせを免れ、アテネ総合指数は1.7%上昇。同国が債権団と新たな支援策をめぐり合意に至るとの楽観のほか、ギリシャの銀行業績に対する改善期待が相場上昇要因となった。

  ジェフリーズの株式ストラテジストらはリポートで、欧州株は向こう数カ月にわたり米国株を上回るパフォーマンスを続けるだろうと予想。欧州企業は米企業よりも早く業績を修正させてきており、先行き不透明感を示す両地域の指数は逆の方向に向かって動いていると指摘した。
原題:European Stocks Fall as Doubts Grow Over Trump’s Tax-Cut Plans(抜粋)

◎欧州債:中核国の短期債下落、利回り曲線平坦化-リスクオフの動き後退

  27日の欧州債市場では中核国の短期債が下落し、利回り曲線が平坦化した。信用スプレッドの縮小と株高に伴い、リスクオフの動きは徐々に後退した。

  スペイン国債のパフォーマンスは他の国債を下回り、イタリア国債との利回り格差は2bp拡大。トレーダーらによると、欧州中央銀行(ECB)による条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)が先週で終わり、利益確定の動きが現れた。

  イタリア国債には買いが入り、値が支えられた。政治リスクの低下で投資家らはショートポジションを縮小したという。ドイツ短期債のパフォーマンスは低調で、2年債利回りは4bp上昇。
原題:Euro-Area Government Bonds End of Day Curves and Stephen Spratt(抜粋)

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