米議会で投資家向け査証(ビザ)を得るための財務面の必要最低要件を現行の50万ドル(約5500万円)から135万ドルに引き上げることが検討される中で、条件が厳しくなることを見越した中国の富裕層が大挙して駆け込み申請するとの懸念が広がっている。

  米国のいわゆる「EBー5」査証取得を支援する北京の代行会社キャンリーチ(パシフィック)でディレクターを務めるジュディ・カオ氏は「4月28日までに確実に申請するよう要求する顧客がいる」と明らかにした。米議会が延長もしくは改定しなれば、EB-5プログラムはこの日に期限切れとなる。「対応に追われ残業している」と同氏は言う。

ジャレッド・クシュナー氏
ジャレッド・クシュナー氏
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  EB-5プログラムへの申請は、中国人が圧倒的に多いという状況が続いている。このプログラムを通じ、ニューヨークからフロリダ州マイアミ、カリフォルニアに至る米国の著名不動産プロジェクトに資金が流れ込んでいる。トランプ大統領の娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナー氏の家族による事業もそのうちの1つだ。

  クシュナー家はニューヨーク5番街のオフィスビルの債務借り換えと建て直しでEB-5を通じて8億5000万ドルの資金調達を目指しているほか、中国の安邦保険集団などの投資家からも資金を求めている。ブルームバーグ・ニュースが計画案の条件を基に先に報じた。クシュナー社のスポークスマンはコメントを控えている。

マンハッタンの「666フィフス・アベニュー」
マンハッタンの「666フィフス・アベニュー」
Photographer: Eric Baradat/AFP via Getty Images

  ローゼン・コンサルティング・グループとアジアソサエティーが提供したデータによると、EBー5プログラムは、米国での20万人以上の雇用創出と中国の投資家からだけで140億ドルを呼び込む上で一定の役割を果たしており、同プログラムが縮小されればこうした面での悪影響が予想される。

原題:Rich Chinese Race to Fund Kushner Tower, Other High-End Projects(抜粋)

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